太陽光発電システムに対しては、自家消費できなかった電力を電力会社が買い取る仕組みがある。この余剰電力を従来価格の約2倍で電力会社が買い取る制度が、11月1日に全国でスタートする。
制度についてまず知っておきたいのは、設置した時点の余剰電力の買い取り価格が10年間続くことだ。経済産業省は、3.5kWのシステムを新築住宅に設置した場合、今回の買い取り制度と補助金などを使うと、平均10年程度で設置費を回収できるとしている。

自治体の補助金は各自治体で異なり、ここで使用しているのは平均的な金額(資料:経済産業省「買取制度の詳細設計について」)
二つめは、買い取り価格が条件で変わることだ。「住宅」か「非住宅」かで大きく異なり、後者は前者のおおむね半分になる。住宅として扱われるには、最大出力を10kW未満にしなければならない。
家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」やガスエンジン・コージェネシステム「エコウィル」、風力発電などの自家発電装置を併設すると、買い取り価格が2割弱安くなってしまうことも覚えておきたい。自家発電装置を併設する場合は、発電した電気が配電線に逆流しないための装置も不可欠になる。エネファームとエコウィルにはその機能が備わっているが、風力発電などではそのための装置を購入する必要がある。

上2段は2009年11月〜10年3月までの買い取り価格。自家発電装置とはエネファーム、エコウィル、風力発電など(資料:経済産業省「買取制度の詳細設計について」)
三つめは、買い取り価格が1年ごとに見直され、徐々に下がること。09年度は住宅がkWh当たり48円、非住宅が24円。以降は、10年度が同額、11年度は住宅が42円を予定している。買い取り価格は製品価格が安くなるにつれて下がる計画だ。
余剰電力はどのくらい得られるのか。太陽光発電の販売・施工会社、発電マン社長の岩堀良弘氏は、「平均で発電量の55〜60%。1.2〜1.5kW程度の小さなシステムは10〜20%になる」と説明する。
今回の買い取り制度がスタートする直近の10月時点で、国の補助金予算はまだ残っているが、いくつかの自治体の補助金はなくなってしまっている。そのため「来年度まで購入を待ったほうがいいだろうか」という相談が岩堀氏に寄せられている。「自治体の補助金額が大きいなら待つようすすめたほうが信頼を得られる。ただ、他社に工事を取られないよう、その後の連絡や情報提供は密に行いたい」と岩掘氏は話す。