------------------
2010年3月9日(火)公開
聞き手/深尾典男 構成・文/中村実里 写真/加藤康
──天然ガスは化石燃料のなかで最も環境にやさしいだけでなく、より高度な使い方をすることで、さらに環境負荷を低減できます。この天然ガスの事業展開について、御社の中期経営計画では、どのように位置付けているのでしょうか。
鳥原光憲氏(以下敬称略): 天然ガスは環境性や供給安定性、経済性、さらには利便性の面で非常にすぐれたエネルギーです。低炭素社会の実現に向け、今後、その役割が、ますます大きく期待されています。
昨年、石油代替エネルギー法が改正され、太陽光など再生可能エネルギーの導入促進が重要な課題となっていますが、再生可能エネルギーは導入可能量にも限界があり、供給安定性やコスト面などの制約もあります。したがって、石油から天然ガスへの燃料転換、コージェネレーションなどによる高効率利用、さらには、これに再生可能エネルギーを組み合わせたエネルギーの最適利用システムの普及促進を図ることが、二酸化炭素(CO2)削減の現実的で、即効性のある対策だといえます。
東京ガスは、中期経営計画において、天然ガスをコアとした「総合エネルギー事業」としての発展を目指しています。わたしたちが目指す総合エネルギー事業は、ガスのみならず、電力なども含めたマルチエネルギー供給と、お客様のさまざまなニーズを満たすソリューションをワンストップで提供するエネルギーサービスを総合的に進めていくものです。こうした事業展開によって「天然ガスの高度利用」を中心とした環境負荷の低減に努めていく考えです。
──具体的に、どのような事業展開を目指されているのでしょうか。
鳥原: 事業戦略では、三つの「E」に重点を置いて取り組んでいきます。第一に、環境を機軸とした価値の創造「エコ・フレンドリー」があります。コージェネレーション、燃料電池をはじめ環境価値の高い機器・サービスの普及拡大を図ります。
さらに、天然ガスの高度利用を柱にしながら、太陽光や太陽熱といった再生可能エネルギーの活用を組み合わせ、建物単位だけではなく、地域全体で熱や電気などのエネルギーを融通する面的・ネットワーク的利用による最適エネルギー利用システム、すなわち「スマートエネルギーネットワーク」の実現を目指していきます。
次に、お客様価値の向上「エクセレント・サービス」です。お客様との密接な関係づくりを進め、お客様のさまざまなニーズに合わせた価値の高いソリューションの提案やサービスの提供を目指します。
三つめが、マーケットの徹底深耕・拡大「エクスパンション」です。関東200km圏を中心とした広域的エリアで、産業用をはじめ天然ガスの潜在需要を積極的に開拓し、それに対応できるガスの供給インフラを整備します。