──ゼロエネルギー住宅は、今の技術でも実現できるのではないでしょうか。

森岡社長は、ゼロエネルギーを普及住宅で実現することを目指し、そのためにはコストダウンが重要になると強調する
森岡: 大きな太陽光発電を積んで、たくさん発電すれば実現できます。我々が目指すのは、普及住宅で実現するゼロエネルギーです。特別な家でなくてもゼロエネルギーにする。そのために必要なことはコストダウンです。これが大変です。
コストダウンを考えるとき、二つの要素があります。量産すれば下がることと、技術改良によって下がることです。だから、量がたくさん出るということは重要なのです。コストが下がるように、どこかで弾みをつけなければなりません。
例えば太陽光発電では、電力会社の買い取り価格を2倍にすることで、普及を促しています。この政策で、住宅メーカーの商品における太陽光発電の装着率がグンと上がるでしょう。その結果、量産効果が出て、コストダウンが進み、さらに普及しやすくなります。最初に回すのは重いけれど、まわり始めるとグルグル回るようになる「弾み車」のような働きをしています。こういう政策は、ものすごく意義があると思います。
──一般消費者に環境重視型の住宅であることを訴えかけることは、なかなか難しいように感じます。どのように工夫していますか。
森岡: プリウスが先進的なエコカーだというイメージは確立されています。住宅でもプリウスのように環境を重視した住宅だということを的確に表現する名前が必要です。それによって、一般消費者の認知度が高まり、普及につながります。ネーミングはそれくらい重要なのです。一方で、2013年ごろには、PHVやEV(電気自動車)などの環境車両も出てきます。家にためこんだ電気でクルマのエネルギーを代替することも視野に入れています。家もクルマも、ゼロエネルギーがトヨタグループの目標です。
森岡 仙太(もりおか せんた)
トヨタホーム 代表取締役社長
1947年北海道生まれ。1972年北海道大学卒業後、トヨタ自動車工業(現トヨタ自動車)入社。春日井事業所長、住宅生産部部長を経て、2005年同社常務役員とトヨタホーム代表取締役専務に就任。07年から現職。