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2009年9月8日(火)公開
聞き手/深尾典男 構成・文/村島正彦 写真/加藤康
──福岡県では、「福岡水素戦略」のもと水素エネルギーの実用化に向けた研究開発が盛んに行われていますが、その背景についてお聞かせいただけますか。
麻生渡氏(以下敬称略): これからの社会を考えるうえで、環境、省エネルギーといった課題から、資源戦略はたいへん重要になってきます。そこで、クリーンで環境負荷も少ない「水素」は、これからの未来を見据えてたいへん有望ではないかと考えたわけです。
水素は、ご存知の通りエネルギー効率の高さや使用時に二酸化炭素(CO2)をまったく出さないなど、利点が大きい。その水素は、化石燃料の石油、そして石炭からも、ガス化することにより直接取り出せます。つまり限りあるエネルギー資源の有効利用に結びつけることが可能になるわけです。
なぜ、その拠点が福岡なのか、という疑問をお持ちかもしれません。背景となった理由は3つあります。
1つめは、九州大学が水素エネルギーの研究において先駆けていたこと。2つめは、北九州市の製鉄所などから年間5億m3もの副生水素が排出されます。これを使わない手はない。最後に3つめは、福岡県には水素エネルギー社会を支える多彩な製造業の集積があったということです。
これらの3つの「資源」をうまく使うことによって、世界において最先端の水素エネルギー社会づくりの産業拠点をつくりだすことが可能になるのです。