「燃料電池開発物語」 第6回 もうひとつのFTTH Fuel-cell To The Home 東京ガスの「エネファーム」開発にかけた情熱(5)最終回 供給末端=需要地の家庭から 新エネルギーの未来像を描く

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2009年12月15日(火)公開
取材・文・写真/喜多充成
 

天然ガス導入40周年の節目に

 ちょうど40年前の1969年11月4日、液化天然ガス(LNG)輸送船「ポーラアラスカ号」が、東京ガスと東京電力が共同で建設した横浜市磯子区の根岸基地に到着した。日本にとってこれが初めての海外からのLNG受け入れだった。

 相当の埋蔵量と複数産地からの安定供給が見込め、硫黄分などの少ないクリーンなエネルギー源であることや、安定的な需要家である電力会社と共同で受け入れ基地をつくり費用分担できるメリットなどから、東京ガスは都市ガス原料をLNGに切り替えるための投資に踏み切った。そして同社は72年から「熱量変更プロジェクト」に取り組む。

 導管ネットワークで供給するガスを、それまでの石油系ガス(7Bなど)から天然ガス(主にメタン)を原料とする熱量の高い都市ガス(13A)に変えるためには、エリア内で使用されているガス器具の「すべて」について、部品交換や調整を事前に実施しておかなければならない。そのための専門チームを組織し、段階的に周知広報をし、17年かけて首都圏の当時600万件の需要家宅を訪問、コンロや湯沸かし器やボイラーなどを調整し、セクター(供給ブロック)単位でガスを変更するという作業を繰り返していった。

 家庭の風呂場や台所、ビルのボイラー室にまで入り込み、調整した器具の総数は約2000万件。石油ショック前に始まり昭和の終わりまでを費やした、日本企業として戦後最大規模の事業とも呼ばれるプロジェクトだった。

 そして出来上がったのが、燃焼時に硫黄酸化物を排出せず、窒素酸化物などの排出も少ないクリーンな天然ガスを、各家庭にまで直接届けるネットワークである。都市ガスの主成分であるメタンガスは、炭素原子1つに水素原子4つが結びついた分子構造で、炭化水素類のなかでは最も水素リッチな物質だ。それを各家庭にまで供給するインフラを構築し維持してきたことが、まず、「エネファーム」誕生の前提条件だった。
 

 
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「燃料電池開発物語」 第6回

もうひとつのFTTH
東京ガスの「エネファーム」開発にかけた情熱(5)最終回
供給末端=需要地の家庭から
新エネルギーの未来像を描く

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