異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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新ライフスタイルの胎動-3

一人歩きゆえのトラブル多数
成熟待たれるエコドライブ思想

取材・文・写真/林愛子 タイトル写真提供/フォルクスワーゲングループジャパン
2010年7月20日(火)公開
アイドリングストップで事故発生

 6月、静岡県で複数の車両を巻き込んだ追突事故が発生した。報道によると、追突した車両の運転手は、赤信号で停止した際にアイドリングストップとしてエンジンを切ったが、下り坂だったために自動車が動き出し、ブレーキペダルを踏み込んでも自動車は止まらずに追突したのだという。

 アイドリングストップは、環境負荷の低減に配慮した自動車の使用の実践についての普及促進を目的にして、警察庁、経済産業省、国土交通省、環境省から成るエコドライブ普及連絡会(以下、普及連絡会)が策定した「エコドライブ10のすすめ」で推奨されている。最近ではマツダ「アクセラ」など、アイドリングストップ機能を売りにしたモデルが登場し、停車時のエンジン停止が燃費向上に有効であることは広く知られるようになった。

 しかし、いつしか肝心のことが忘れられたのかもしれない。イグニッションスイッチをオフにすると、エンジンが止まるだけでなく、油圧式のフットブレーキが十分に利かなくなるのだ。従って、静岡県の事故は、サイドブレーキを引いていれば防ぐことができたはずである。

マツダ「アクセラ」に搭載されたアイドリングストップ機能「i-stop」
マツダ「アクセラ」に搭載されたアイドリングストップ機能「i-stop」は、ブレーキを踏んで停車するとエンジンが停止し、ブレーキを離すとエンジンが再始動する仕組み。ドライバーに操作を委ねないので、ヒューマンエラーによる事故は起こりにくい(写真提供:マツダ)。

 マツダのアイドリングストップ機能は、エンジンを停止しても、フットブレーキが利かなくなることはない。むしろ、ブレーキペダルの踏み込みが弱いと、アイドリングストップ機能が作動しない(エンジンが自動停止しない)ようになっている。また、急な上り坂など、発進時にパワーを必要とする場面でも作動しない。ドライバー自身がエンジンを切るのとは違って、安全を担保する機構がいくつも用意されているのだ。

 確かに、アイドリングストップは燃費向上に効果がある。普及連絡会では、「10分間のアイドリング(ニュートラルレンジ、エアコン切の場合)で、130cc程度の燃料を浪費」するとしている。また、フォルクスワーゲン(以下、VW)も、「3分間のアイドリングで消費する燃料を使えば、時速50kmで1km走れる」と、その有効性を説いている。

 しかし、頻繁なエンジンのオン・オフが、部品の劣化を加速させることも事実だ。また、ライトやエアコン、エアバッグなどの電源もオフになるので、安全性や快適性が損なわれることもある。普及連絡会やVWでは、やみくもにエンジンを切るのではなく、待ち合わせなど一定時間以上の停止が明らかな場合のアイドリングストップを推奨している。そして、どんな場合でも停車時はサイドブレーキを使うべきだろう。知らず知らずのうちに自動車が動いて事故を起こせば、それだけで無用な二酸化炭素(CO2)排出量の増加を招いてしまう。

 エンジンを切りさえすれば良いわけではないところが、アイドリングストップの難しさといえる。
 

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