異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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ナショナル ジオグラフィック・スペシャル

シリーズ「21世紀の実像」

NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版
NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版

アラスカぐるっと176日

ナショナル ジオグラフィック日本版 2011年3月号
(表紙写真=グレッグ・シュナイダー)
文=ダン・コッペル 写真=マイケル・クリストファー・ブラウン
2011年3月28日(月)公開
アラスカ州の寒村

 アンドリュー・スクルカは経験したことのない無力感に襲われていた。29歳になる彼は、2002年から延べ4万200キロを超える距離を踏破し、世界屈指の俊足トレッカーとして勇名を馳(は)せていた。しかし今、アラスカ州の寒村スラナの郵便局の前に座り込み、萎(な)えた冒険心を何とかして奮い立たせようと苦しんでいる。

 アラスカの原野を徒歩とゴムボート、スキーだけで一周するという総距離7530キロの挑戦は、まだ3分の1も終わっていなかった。ゴールまではまだ数カ月かかる。ここでやる気をなくすわけにはいかなかった。

 問題は、解けて緩くなった雪だ。ぬかるんだ雪原はスキーで移動する人間の体重を支えられない。アラスカ山脈をスキーで進もうとした時、スクルカの体は雪に深々と沈み、悪戦苦闘の末、スキーを諦めて歩くことにした。1日の大半を、膝(ひざ)まで雪に埋まりながら、ヤナギやハンノキが密生する茂みをかき分けて前進した日もあった。そんな日には、日没までに移動できたのがわずか19キロ。俊足で知られるスクルカとしては、考えられないほど短い距離だ。

 2007年には、1日平均53キロのペースで米国西部1万1064キロをぐるりと一周したし、その2年前にも、大西洋岸から太平洋岸に至る1万2517キロの北米大陸横断ルートを踏破していた。強靭(きょうじん)な体力と不屈の精神がこうした挑戦を成功に導いたことは確かだが、全行程を1キロ単位に細分化して立てる計画の綿密さで、スクルカは長距離トレッカーたちの間で伝説的な存在となった。

 しかし、彼の綿密な計画はアラスカでは通用しそうになかった。

 スラナの村外れにある公衆電話から、スクルカはマサチューセッツ州にいる家族に連絡を取り、安否を知らせた。その時、それまで感じたことのない不安に襲われ、涙があふれ出た。
 

4月17日 ディリンジャー川

4月17日 ディリンジャー川
「ろくに眠れず、気力も使い果たし、ブリザードには打ちのめされて、つらい回り道を余儀なくされた。気合いなんて入るわけないさ」。スクルカは不覚にも流した涙についてそう語る
(c)2011 Michael Christopher Brown / National Geographic
 

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