異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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ナショナル ジオグラフィック・スペシャル

シリーズ「21世紀の実像」

NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版
NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版

ブラジル 水と風の砂丘

ナショナル ジオグラフィック日本版 2010年7月号
(表紙写真=ティム・D・ホワイト)
文=ロナウド・リベイロ
2010年7月20日(火)公開
シーツに例えられた風景

 波打つ砂が白くまばゆい光を放ち、どこまでも広がっている。上空から眺めると、細長い砂丘がいくつも連なる風景は、洗い立ての白いシーツが風にたなびいているかのように見える。ブラジル北東部マラニャン州の大西洋岸、赤道にほど近いこの一帯が、「マラニャン州のシーツ」という意味の「レンソイス・マラニェンセス」と呼ばれているのも、うなずける景色だ。

 たとえどんな地名であっても、この大砂丘の不思議な魅力が変わることはない。波打つ砂の谷間では、雨水をたたえた池が青や緑に輝き、魚の群れが銀色にきらめく。牧畜民は何十頭ものヤギを率いて砂丘を越え、漁民は星と難破船の残骸だけを頼りに海に出る……。

 「まるで別世界のようでしょう?」。そう言うのは、レンソイス・マラニェンセス国立公園の責任者だったカロリーナ・アルビーテだ。沖縄本島と西表島がすっぽり収まる、面積1550平方キロの広さを誇るこの一帯は、稀有(けう)な生態系を守るため、30年前に国立公園となった。

 広大な砂丘のそばに海が広がる景色は、まるでサハラ砂漠の真ん中に、大西洋が蜃気楼(しんきろう)となって現れたかのようにも見える。だが、マラニャン連邦大学の地理学者アントニオ・コルデイロ・フェイトーザによれば、レンソイスは厳密には砂漠ではないという。定義上、年間降水量が250ミリ未満の地域を砂漠と呼ぶが、レンソイスには年間約1200ミリの降雨があるのだ。

 その雨のおかげで、独特な砂の景観が生まれる。付近を流れる二つの河川、パルナイバ川とプレギサス川が内陸の砂を大西洋岸へと運び、その砂が海流に乗って西に押し流され、長さ70キロの海岸線に堆積(たいせき)する。

 乾期、特に10月と11月になると、今度は強い北東の風が海岸線の砂を50キロ近くも内陸まで押し戻し、高さ40メートルにもなる三日月形の砂丘がいたるところに現れる。なかには、年間で20メートルも移動する砂丘もあるという。「季節が移ろうごとに、景色ががらりと変わるんです」と地理学者のコルデイロは話す。
 

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