異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

ECOマネジメントサイト終了のお知らせ
当サイトは、3月31日をもちまして終了することになりました。ご愛読いただきました皆様に感謝いたします。当サイト連載中の主要コラムにつきましては、4月以降、日経BP社の環境ポータルサイトであるECO JAPANで引き継ぎ公開いたします。
ECO JAPAN
コンテンツ
特集
リポート
インタビュー
コラム
人と自然
フロントランナー
ECOラボ

 
テーマで読み解く環境問題
温暖化国際交渉、COP16の意義
今回のテーマ
温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
関連キーワード

インタビュー

経済産業副大臣 増子輝彦氏

電気自動車は
産業活性化の切り札
政策総動員して
技術革新を加速化

経済産業副大臣
増子輝彦氏
聞き手/深尾典男、桜井敬三 構成・文/中村実里 写真/加藤康
2010年1月25日(月)公開
新車販売の50%をエコカーへ

──2009年夏から、電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車(PHV)の市場投入が本格化し始めました。EV・PHVのほか次世代自動車の普及促進を後押しする政策は、前政権から取り組まれてきましたが、鳩山政権ではどのような構想を描き、推進していかれるお考えでしょうか。全体像をお聞かせください。

 鳩山政権は、米国などの先進国のほか、中国やインドなどの新興国や発展途上国などを含めて皆が参加することを前提条件に、「2020年までに1990年比25%」という温室効果ガス削減目標を掲げました。この目標を実現していくためにも、EVなどエコカー(環境対応車)への買い替えを促す施策は、前政権以上に速度を上げて取り組んでいくことが必要です。

 いま日本は、約7600万台の自動車を保有しています。これまでは毎年500万台程度ずつ買い替え需要がありましたが、昨今は経済不況などを要因としてその需要は落ち込みつつあります。しかし、こうした状況の中でも、ハイブリッド自動車などのエコカーが徐々に販売台数を伸ばし始めました。現在、国内新車販売に占めるエコカーの割合は1割弱にすぎませんが、これを我々は2020年までに50%へと引き上げていきたいと考えています。

 予算に関しては、EVなどエコカー購入に対する助成金として、2009年度は約24億円だったものを2010年度は約100億円の概算要求を行いました。また、充電インフラ整備事業については、2009年度は約4億円の予算でしたが、これを2010年度は約14億円で概算要求を行い、どちらも事業仕分けの対象に入ることなく、しっかりと要求通りの予算を確保することができました。予算面だけでも、前年度の約4倍の規模に相当します。まさにこれから、スピード違反しないように、次世代自動車関連政策のスピードアップを図ろうとしているところです。

──次世代自動車の普及促進策は、産業の育成にもつながると思います。

 いま日本の経済環境は、あまり芳しくありません。特にここ数年は、景気拡大期間が戦後最長と言われながらも、国民の皆さんにはその実感や恩恵があまりなかったのではないかと思います。その矢先にリーマンショックがあり、世界同時不況で日本も大きな打撃を受けました。そして、いまなお円高やデフレ、ドバイショックと不安材料が山積している状況です。

 この中で鳩山政権は、地球温暖化対策を日本の経済成長戦略の最も大きな柱と位置付け、環境と産業活性化対策の両立を目指しています。そして、新産業の創出、雇用の確保、技術の革新を促す象徴的な次世代製品の一つが、EV関連です。経済産業省でも重点分野ととらえ、EV・PHVなど次世代自動車の普及に向けた研究開発や、インフラ整備などの戦略を検討する「次世代自動車戦略研究会」を設置し、2009年11月に第1回の会合を開きました。経済産業省からは、私が参加することになっていて、初会合以降も既に何度か会合を行っています。研究会の下にはさらに、自動車産業全体の戦略を検討するワーキンググループ、電池戦略のワーキンググループ、インフラ整備のワーキンググループという3つの部門を立ち上げました。

 その議論は、自動車メーカーはもちろん、部品工業業界や学識研究者も含め、産学官連携による“オールジャパン”体制で行います。次世代自動車戦略の推進については、企業同士が互いにライバルであっても、皆で一緒に足並みをそろえて取り組まなければなりません。なぜなら、1社だけが突出しても、追い上げが激しい中国や韓国、インドなどに対抗できなくなる恐れがあるからです。激化する国際競争のなかで、日本がこれまで以上に自動車産業で大きなシェアを獲得するためには、オールジャパン体制で向かっていくことが重要と考えます。
 

前ページ前ページ
 1   2   3   4   5 
次ページ次ページ
▲このページのトップ | HOME
松本龍・環境大臣 松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16)
経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏 経済産業省 大臣官房審議官
有馬純氏(10/08/16)
ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏 ピュー気候変動センター 国際戦略部長
エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25)
経済産業副大臣 増子輝彦氏 経済産業副大臣
増子輝彦氏(10/01/25)
ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長、テッド・ノードハウス会長 ブレークスルー研究所
マイケル・シェレンバーガー所長
テッド・ノードハウス会長(09/12/21)
各コラムニストの掲載記事一覧をご覧いただけます  
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』 伊藤洋一の
『BRICsの衝撃』
植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』 植田和弘の
『地球温暖化防止の環境経済学』
沖大幹の『水の惑星の未来』 沖大幹の
『水の惑星の未来』
荻本和彦の『低炭素エネルギーシステムの将来像』 荻本和彦の
『低炭素エネルギーシステムの将来像』
澤昭裕の『不都合な環境政策』 澤昭裕の
『不都合な環境政策』
筒見憲三の『カーボンマネジメント講座』 筒見憲三の
『カーボンマネジメント講座』
寺島実郎の『環境経済の核心』 寺島実郎の
『環境経済の核心』
十市勉の『資源Wars』 十市勉の
『資源Wars』
鳥井弘之の『ニュースの深層』 鳥井弘之の
『ニュースの深層』
中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』 中上英俊の
『暮らしとエネルギーと温暖化』
西山孝の『資源クライシスの深層』 西山孝の
『資源クライシスの深層』
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』 野村浩二の
『ポスト京都の経済インパクト』
増田寛也の『低炭素City』 増田寛也の
『低炭素City』
御園生誠の『キーテクノロジー』 御園生誠の
『キーテクノロジー』
山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』 山口光恒の
『地球温暖化 日本の戦略』
山根一眞の『The環業革命』 山根一眞の
『The環業革命』
山本隆三の『市場が解く? 地球温暖化』 山本隆三の
『市場が解く? 地球温暖化』
   
 
荻本和彦氏のコラム

この記事の目次
経済産業副大臣 増子輝彦氏
電気自動車は産業活性化の切り札
政策総動員して技術革新を加速化

エネルギー技術 原子力発電/太陽光発電/バイオマス発電

CO2削減技術 省エネルギー/CCS技術

エネルギー政策 日本

エネルギー消費 交通・運輸/家庭部門