ヒートポンプとは、その名の通り、空気中などに散らばっている熱を汲み上げるポンプのこと。自然の熱をかき集め、熱エネルギーに転換する仕組みを指します。
元になる原理は、気体には圧縮すると温度が上昇し、膨張すると温度が下降する性質があるというもので、1824 年にフランスの物理学者カルノーが発見しました。この単純な原理を用いて、大気や水などの熱を集め、冷却または加熱に用いるシステム、それが、ヒートポンプなのです。
ヒートポンプは、昔から冷蔵庫やエアコンなどの冷却用として広く使われてきました。あなたの自宅のエアコンにも、ヒートポンプは使われているはずです。技術革新により、その用途も冷房から暖房、給湯などへと広がり、そして近年は、地球温暖化防止の観点からも、大きな注目を集めています。
ヒートポンプは火をたかずにエネルギーを得るシステムであるため、二酸化炭素(CO2)を排出しません。地球温暖化の原因の一つは、人間が排出するCO2などの温室効果ガス(GHG)だということが、ほぼ断定されています。通常、燃焼式システムの場合、暖房や給湯用に熱をつくる場合は、主に化石燃料を燃やすことによって熱を生み出すため、CO2が発生します。これに対して、ヒートポンプは少しの動力で、空気中などに存在する無尽蔵の熱を取り出しますから、CO2削減に大きな効果があるのです。
京都議定書により、日本政府には2008年〜2012年の平均で、GHGを1990年比6%削減することが義務づけられています。これは、かなり厳しい課題のようにも思われます。しかし、もしヒートポンプが日本中の空調・給湯・加温機器に普及したとすると、日本全体で1年間に排出するCO2の約10%を削減できるという試算があるのです。ヒートポンプシステムの普及こそが、“地球温暖化対策の切り札”と言われる理由がここにあります。

ヒートポンプはわずかな動力で、空気中に存在する無尽蔵の熱を取り出せるため、温室効果ガス(GHG)の一つである二酸化炭素(CO2)の削減に大きな効果がある。京都議定書により、日本は2008年〜2012年の平均で、GHGを1990年比6%削減することが義務づけられているが、ヒートポンプが日本中の空調・給湯・加温機器に普及したとすると、日本全体のCO2排出量の約10%削減できるという試算がある