異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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最前線の挑戦者たち

コクヨ「ハリナックス」[後編]

“驚き”にこだわりエコが大ヒット
80万台売れた針なしステープラー

コクヨS&T
クリエイティブプロダクツ事業部
コアテックVU開発第1グループ
リーダー 青井宏和氏
写真・文/永井隆
2011年3月10日(木)公開
「オー!」という声、光放つ商品

 「針なしステープラー(2穴タイプ)」が、いきなりブレークするきっかけになった「エコプロダクツ2009(エコプロダクツ展)」。

昨年12月開催のエコプロダクツ展でコクヨは、ハリナックスの普及と金属針の削減数を示した。コクヨは金属針も手掛けている
昨年12月開催のエコプロダクツ展でコクヨは、ハリナックスの普及と金属針の削減数を示した。コクヨは金属針も手掛けている

 東京ビッグサイト(東京都江東区)のコクヨブースには、開発者である青井宏和の姿があった。新製品の説明員として、販売企画担当の増田和之らとともに、来場者に接していたのである。商品の発売は2009年12月9日。エコプロダクツ展はその翌日から3日間の開催だった。

 人当たりがソフトで話も上手い増田は、ビジネスマン風の20歳代に見える来場者に接していた。

 実際に2穴タイプを、手に取って使ってもらう。20歳代の若者は、「どうやってとじているのですか」と質してきた。そこで、10枚までの用紙をとじる仕組みについて増田は説明する。ステープラーを裏返して、H刃とU刃の動きを見せながら、「穴を開けた紙がゴミになることはありませんよ。ワンアクションで、切り込まれた用紙が折り込まれます。このように」と。

 すると、「オー!」という感嘆の声を、ビジネスマン風の来場者は発した。

 傍らにいた青井も、来場者にどのようにとじるのか、現物を見せながらその仕組みについて詳しく説明する。すると、客は同じような驚きの表情を見せてくれた。

 単純に、使ってもらう“体感”だけでは、どうも驚きは薄いように感じられた。「オー!」がないためだ。

 “とじ方”を丁寧に伝え、そして見せることで、驚きは増幅された。老若男女を問わずに、である。「面白い!」「楽しい」などと反応する人もいたが、要は「オー!」という新しいものに触れた驚きだった。

 会場には太陽光発電やEV(電気自動車)、リチウムイオン電池、省エネ家電、エコ住宅、さらには日本コカ・コーラの「い・ろ・は・す」、三洋電機の「エネループ」などなど、先端技術からアイデア商品、さらにヒット作まで、環境に関する多くの技術と商品とが展示されていた。こうしたなかで、コクヨの「針なしステープラー」は光を放ち、独自の存在感を示していく。来場者が驚きを表していたから。

 「ユーザーに、新鮮な感動を提供できた」

 会場でこう思うと、青井はある種の満足感を得た。新製品を上梓するときは、何度やっても緊張する。が、自分の手を離れてしまえば、商品はユーザーのものとなる。マーケット(市場)が評価するわけだが、売れる商品にはユーザーに驚きを与えるものは多い。

 特に今回は、「環境、効率、安心・安全の3つのコンセプトから生まれた新発想文具」(増田)である。驚きがなければ、新発想文具とは言えない。
 

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