異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

ECOマネジメントサイト終了のお知らせ
当サイトは、3月31日をもちまして終了することになりました。ご愛読いただきました皆様に感謝いたします。当サイト連載中の主要コラムにつきましては、4月以降、日経BP社の環境ポータルサイトであるECO JAPANで引き継ぎ公開いたします。
ECO JAPAN
コンテンツ
特集
リポート
インタビュー
コラム
人と自然
フロントランナー
ECOラボ

 
テーマで読み解く環境問題
温暖化国際交渉、COP16の意義
今回のテーマ
温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
関連キーワード

ECOラボ

2020年の主役を追う

CANDLEという名の原子の灯[後編]

制御と濃縮・再処理の技術不要に
世界的な注目集める未来の原子炉

写真と文/喜多充成
2010年6月10日(木)公開
マイルドな燃焼の維持が鍵

 取り扱いも保管も輸送も容易なロウソクにちなみ、東京工業大学の関本博教授は、自身が発案した新しいタイプの原子炉に「CANDLE炉」と名前を付けた。関係者の反響は大きく、米国、ロシア、中国などから招待講演を求められ、ビル・ゲイツが事実上のオーナーを務める米ワシントン州の技術ベンチャー企業、テラパワー社からもコンサルタント就任を要請された。テラパワー社が提案する新型原子炉TWRが、CANDLE炉のアイデアと似通っていたことも理由のひとつ。大学内の審査を経て2009年秋に就任、その後大きなニュースにもなった。前回に引き続き、このCANDLE炉の特長と可能性を紹介する。

 

 

 世の中を構成する原子は、電子と原子核でできている。原子核には安定なものばかりでなく、わずかな量だが不安定なものも存在する。代表的なものが核燃料として用いられるウラン235だ。ウラン全体のなかでウラン235はわずか0.7%しか存在しないが、濃縮を経てその比率を高めることで核燃料として利用することができている。

 この種の不安定な原子核は、中性子の吸収をきっかけに、あたかも水滴が割れるようにより小さな原子核に分かれる。同時にいくつかの中性子も飛び出す。これが核分裂である。

 そして原子炉とは、核分裂によって生じる熱エネルギーを利用する装置だ。

 熱エネルギーの源は、核分裂の際に消滅する“質量”。アインシュタインの方程式「E=mc2」に示されるとおり、わずかの質量(m)であっても、光速(=秒速30万km)の二乗という大きな数との積であることから、もたらされるエネルギー(E)も非常に莫大なものとなる。

 そのエネルギーを一気に解放するのではなく、じわじわと反応を起こさせ、冷却材を媒介として熱のみを炉外に引き出し、マイルドな熱源として利用するのが原子炉なのである。
 

100万kWの発電所を1年間運転するために必要な燃料

100万kWの発電所を1年間運転するために必要な燃料。原発は少量の燃料でも莫大なエネルギーをもたらす(出典/「原子力・エネルギー」図面集2009)
 

前ページ前ページ
 1   2   3   4 
次ページ次ページ
▲このページのトップ | HOME
松本龍・環境大臣 松本龍・環境大臣(11/02/10) NEW 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏 環境省 地球環境審議官 南川秀樹氏(10/09/16)
経済産業省 大臣官房審議官 有馬純氏 経済産業省 大臣官房審議官
有馬純氏(10/08/16)
ピュー気候変動センター 国際戦略部長 エリオット・ディリンジャー氏 ピュー気候変動センター 国際戦略部長
エリオット・ディリンジャー氏(10/03/25)
経済産業副大臣 増子輝彦氏 経済産業副大臣
増子輝彦氏(10/01/25)
ブレークスルー研究所 マイケル・シェレンバーガー所長、テッド・ノードハウス会長 ブレークスルー研究所
マイケル・シェレンバーガー所長
テッド・ノードハウス会長(09/12/21)
各コラムニストの掲載記事一覧をご覧いただけます  
伊藤洋一の『BRICsの衝撃』 伊藤洋一の
『BRICsの衝撃』
植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』 植田和弘の
『地球温暖化防止の環境経済学』
沖大幹の『水の惑星の未来』 沖大幹の
『水の惑星の未来』
荻本和彦の『低炭素エネルギーシステムの将来像』 荻本和彦の
『低炭素エネルギーシステムの将来像』
澤昭裕の『不都合な環境政策』 澤昭裕の
『不都合な環境政策』
筒見憲三の『カーボンマネジメント講座』 筒見憲三の
『カーボンマネジメント講座』
寺島実郎の『環境経済の核心』 寺島実郎の
『環境経済の核心』
十市勉の『資源Wars』 十市勉の
『資源Wars』
鳥井弘之の『ニュースの深層』 鳥井弘之の
『ニュースの深層』
中上英俊の『暮らしとエネルギーと温暖化』 中上英俊の
『暮らしとエネルギーと温暖化』
西山孝の『資源クライシスの深層』 西山孝の
『資源クライシスの深層』
野村浩二の『ポスト京都の経済インパクト』 野村浩二の
『ポスト京都の経済インパクト』
増田寛也の『低炭素City』 増田寛也の
『低炭素City』
御園生誠の『キーテクノロジー』 御園生誠の
『キーテクノロジー』
山口光恒の『地球温暖化 日本の戦略』 山口光恒の
『地球温暖化 日本の戦略』
山根一眞の『The環業革命』 山根一眞の
『The環業革命』
山本隆三の『市場が解く? 地球温暖化』 山本隆三の
『市場が解く? 地球温暖化』
   
 
荻本和彦氏のコラム

この記事の目次
CANDLEという名の原子の灯[後編]
制御と濃縮・再処理の技術不要に
世界的な注目集める未来の原子炉

エネルギー技術 原子力発電

エネルギー政策 日本