異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

植田和弘の『地球温暖化防止の環境経済学』

全アジア低炭素化に向けて

「成長」「脆弱」に揺れるアジア
「アジア環境庁」創設の提言

2009年11月30日(月)公開
アジアにおける温暖化防止の意義

 地球温暖化防止は、気候変動枠組条約にもあるように、「共通だが差異のある責任」のもと、世界各国が協力して取り組まなくては解決できないグローバル・イシューである。同時に、温室効果ガス(GHG)の排出量をどう削減していくかについて、誰が、どの国が、どの地域で削減するかという論点も重要である。

 責任と能力という観点から見ると、先進国が率先してGHG排出量を大幅削減しなければならないことは明らかである。しかし、より深刻度を増している温暖化を防止するためには、それだけでは不十分であり、いわゆる新興国もできるだけ早く排出削減に向かわなければならないし、低開発国においても、これからはまさに低炭素型の発展を実現していかなければならない。

 以上のような、経済発展段階に応じた取り組み方の違いを明確にすることは、「共通だが差異のある責任」という考え方を具体化するには不可欠の作業である。同時に、様々な地域経済協力の枠組みが進展していることを考えると、地域単位での取り組みを進めていくことも必要になってきているのではないか。その最も先駆的な例は欧州連合(EU)であろう。

 今後、こうした取り組みが期待される地域はアジアである。日中韓、ASEAN+3(東南アジア諸国連合と日中韓)、APEC(アジア太平洋経済協力会議)など、様々な地域経済協力の枠組みに関する議論が進展していること(日本の鳩山由紀夫首相も東アジア共同体構想を提唱している)に加えて、アジア地域の動向が今後の地球規模での温暖化防止に決定的な意味を持つからである。

 温暖化防止にアジアがどう取り組むべきかを考えている時に、アジア地域の環境問題と環境政策・環境運動の動向を分析した報告を聞く機会があった(第9回「アジア・太平洋地域NGO環境会議」、11月20、21日、京都)。そして、温暖化防止におけるアジアの戦略を考える上で、多くの示唆を得ることができた。そこで今回は、ここで新しく得られた知見を基に、「持続可能な低炭素社会をアジアから」構築するためにはどうすればよいかを考えてみたい。
 

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この記事の目次
全アジア低炭素化に向けて
「成長」「脆弱」に揺れるアジア
「アジア環境庁」創設の提言

エネルギー政策 日本/BRICs

国際協力 途上国支援

温暖化の影響 異常気象