異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

鳥井弘之の『ニュースの深層』

スマートグリッドの大きな胎動
欠落する社会的意義の検証

問われる社会的意義

 2009年8月21日の日経新聞朝刊は、「日本発の技術・製品、国際標準化へ円借款」という見出しの記事を掲載した。スマートグリッドなどの新しい市場で、日本の企業がどれだけ主導権を発揮できるかは、日本が国際的な標準を獲得できるか否かにかかっているといっても過言ではない。この記事では、「アジア太平洋地域の国へ円借款を優先的に付与する条件の一つとして、日本が開発したスマートグリッド技術の導入」を上げており、国際標準の獲得に向けて経産省が強い意志を示した内容と解釈できる。また、2009年11月2日の日経新聞朝刊は、経産省がスマートグリッドの国際標準化案を今年度中にまとめるとして、電力各社や電機大手などが参加する研究会を立ち上げたと伝えた。さらに2010年1月14日の日経新聞朝刊は、この研究会の初会合について紙面を割き、「3年以内に技術規格を国際標準として提案していく」ことを確認したという。

 ここまで見てきたように、各国の官民を挙げたスマートグリッドへの取り組みは大きな熱を帯びてきた。しかし、この新しい概念が社会そのものを大きく変えていくのか、それとも自然エネルギーの普及に当たり、電力の供給を安定させるだけのシステムで終わるのか、スマートグリッドの社会的な意味については、いまだに十分な検討がなされていないように思われる。スマートグリッドの社会的意義については、いずれ本コラムでも取り上げてみたいと考えている。
 

鳥井弘之 氏鳥井 弘之 氏 (とりい ひろゆき)
NPOテクノ未来塾理事長、科学技術振興機構JST事業主幹

1942年東京都生まれ。1969年東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。1969年日本経済新聞社入社、1987年より論説委員を務め、2002年日本経済新聞社退社。2002年から2008年3月まで東京工業大学原子炉工学研究所教授。また、科学技術・学術審議会臨時委員などを務める。

主な著書に『原子力の未来―持続可能な発展への構想』(日本経済新聞社)、『科学技術文明再生論─社会との共進化関係を取り戻せ』(日本経済新聞社)、『どう見る、どう考える、放射性廃棄物』(エネルギーフォーラム)、共著に『「原発ごみ」はどこへ』(エネルギーフォーラム)などがある。

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荻本和彦氏のコラム

この記事の目次
スマートグリッドの大きな胎動
欠落する社会的意義の検証

エネルギー技術 再生可能エネルギー

エネルギー消費 建築物/家庭部門

エネルギー政策 日本/米国/欧州