異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

十市勉の『資源Wars』

ウラン確保に向けた資源外交[前編]

原発再評価で始まったウランの争奪戦

将来の供給不足を見越し開発が進む

 ウランの埋蔵量(2005年)をみると、オーストラリアが世界シェアの25%、カザフスタンが17%、カナダが9%と3カ国で5割を占め、南アフリカ、ナミビア、ニジェールなどのアフリカ勢がこれらの国々に続く。一方、原発大国の米国は7%、ロシアは4%にすぎず、EU(欧州連合)諸国、日本、韓国、台湾は皆無に等しい。中国とインドもそれぞれわずか1%である。このように埋蔵量の少ない国々が近年、ウラン資源の確保に走り始めている。

 一方、2006年のウラン生産量は約4万tU(トン・ウラン)で、カナダ(世界シェア24%)、オーストラリア(同19%)、カザフスタン(同13%)の上位3カ国で生産量の56%を占める。加えて現在、各国で新たな鉱山の開発が進められており、2017年には生産量が約7万tUに増加すると予測されている。なかでもカザフスタンの生産量は大幅に増加する見込みで、同年には1.8万tUに増え、シェアは約25%に高まると見られている。なお、現在の日本の主要ウラン輸入国はオーストラリア(輸入量の33%)、カナダ(27%)、ナミビア(16%)、ニジェール(13%)の4カ国で輸入量の9割を占める。このほかに米国やカザフスタンからも輸入している。カザフスタンからの輸入量はまだ全体の1%にすぎないが、日本は新規のウラン供給源として非常に注目しており、今後、開発輸入も行っていく予定だ。

 ウランは可採年数が70年と比較的長く、2030年ごろまでは資源の枯渇を心配する必要はないとされる。しかし、新規の鉱山開発に取り組まなければ、供給が不足する可能性が高い。すでに、ウラン資源国では、新規の鉱山開発が進められている。現在の需給状況を見ると、2006年のウラン需要約6.7万tUに対して生産量は約4万tU。不足分は解体核兵器からの高濃縮ウランや西側諸国の在庫取り崩しなどでまかなっている。ウラン鉱山は開発に10年近くかかり、供給できるようになるまでのリードタイムが長い。需要増に対応できるかどうかは、新規鉱山の開発が今後順調に進むかどうかにかかる。

 長期的には、使用済み燃料の再利用も検討されている。使用済み燃料からプルトニウムを取り出し、再びウランと混ぜ合わせたウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)を軽水炉で発電燃料として使う「プルサーマル」である。フランスなど欧州ではすでに実用化されており、日本でも2010年度までを目標に、玄海原子力発電所で実施される予定だ。30〜40年後、あるいはさらに先になるかもしれないが、ウランを効率よくプルトニウムに変換することで、消費した以上の燃料を生み出す高速増殖炉(FBR)の実用化も期待されている。実現すれば、ウラン資源の枯渇を心配する必要は当面はなくなるわけだ。
 

■カナダなど3カ国で世界のウラン生産量の半分以上を占める

ウラン生産国別割合

上位3カ国のなかでも、カザフスタンの生産量は今後大幅に増加する見込み(出典:2007.7『金属資源レポート』JOGMEC)
 

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この記事の目次
ウラン確保に向けた資源外交[前編]
原発再評価で始まったウランの争奪戦

エネルギー技術 原子力発電

エネルギー政策 米国/BRICs/日本