異常気象や海面上昇、氷河の崩壊――。温暖化による地球規模での異変が経済や社会を脅かし始めた。未曾有の危機を乗り越えるには、最先端の環境技術を十分に活用することが求められる。環境先進国・日本の新たな挑戦が始まっている。

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温暖化国際交渉、COP16の意義
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温暖化国際交渉、COP16の意義
昨年末、メキシコ・カンクンで国連気候変動枠組み条約第16回締約国会議(COP16)が開催された。国連の条約に先進国の数値目標が組み込まれるなどの成果を上げた一方で、「京都議定書延長問題」の議論が激しさを増し、「ポスト京都議定書」の答えは見つからないままだ。低炭素化を目指す世界における、COP16の意義を検証する。
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コラム

沖大幹の『水の惑星の未来』

「水ビジネス」の未来[後編]

ダム建設に必要な危険を見抜く力
政権交代によりダム施策の変更も

2009年9月17日(木)公開
水害対策に求められる智恵

 水の供給は、バイオマスタウン、ゼロエミッションタウンなど都市づくりと同時に考える必要がある。インフラ整備として水の循環利用、再生利用などを組み込み、災害で水道が止まった非常時においても、高齢者や高層住宅に住む人たちが水を運ばなくてもいい仕組みなどの工夫が求められている。

 戦後、わが国の治水は、主に河道(かどう)の浚渫(しゅんせつ)や川幅を広げるなど、川の中だけを対象とした河川改修で進められてきた。

 1980年から「総合治水対策(昭和55年事務次官通達)」が進められ、「河道対応」と「流域対策」に加え、住民へのPRを含む水防情報システムなどの対策を統合した「統合治水対策」が実施されるようになった。都市部だけで行われてきた「統合治水対策」が、一級河川の利根川や信濃川、天竜川、阿武隈川などの流域にも拡大するようになったのは、気候変動への適応策が意識されるようになり始めたつい最近のことである。

 都市化と共に周辺地域の宅地化が進み、田畑や山林が減少し、道路が舗装されることで、地面の保水・貯水機能が低下し洪水が流下して集積する速度も速くなるため、同じ強度の雨でも洪水のピーク流量が何倍にも大きくなり、豪雨の際に河川の下流域に水災害が起きやすくなる。そのために、河川下流域にも水を溜めたり、浸透させたりする施設を作り、治水をする。あるいは、都市部周辺の低平地で、水の集まるところにどうしても家を建てなければならないとなれば、ピロティ(高床)方式の家を推奨する。

 地球温暖化への緩和策として、あまりに膨大な洪水流量に対応した堤防を整備するとなれば、高い堤防の広い幅を確保するために、住むところをほとんど失ってしまう地域もある。その場合は、堤防を高くするのではなく、その家だけを高くする方法も検討されている。

 例えば、濃尾平野は輪中(わじゅう)で有名だが、これは江戸時代からの治水方法であり、田畑が調整池の役割をしている。洪水によって田畑が水に浸かっても、ゆっくり水が浸透し2日目くらいには水が引くため、タイミング次第で、ほとんど被害が出ない仕組みだ。図は、大気中の二酸化炭素(CO2)濃度倍増時の、東京の年最大日降水量のシミュレーション結果の比較だが、降水強度が1.1〜1.3倍になるのはこの場合頻度が2〜3倍に増大することに相当する。20世紀には100年に1度だった豪雨が30年に1度降るようになり、300年に1度の豪雨が100年に一度降る恐れが出てくるのだ。こうした豪雨頻度増加への対策として、古くからの治水方法を、現代的にアレンジしていく智恵も必要だ。

 日本の治水行政として、長期的には、土地利用規制や土地利用の誘導をはかり、洪水リスクの高い地域に居住する方々に立ち退いてもらう、あるいは恒久的な構造物の新設を止めるなどして、トータルコストを下げつつ、洪水被害を減らしていくような方策も必要になるだろう。
 

■21世紀は大豪雨の頻度が増える

X年確立降水量 東京における年最大日降水量

降水強度が1.1〜1.3倍になるのは、豪雨の頻度が2〜3倍に増大することに相当する
 

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この記事の目次
「水ビジネス」の未来[後編]
ダム建設に必要な危険を見抜く力
政権交代によりダム施策の変更も

エネルギー政策 日本

国際協力 途上国支援

温暖化の影響 生態系