特集:山村再生

2010年2月22日

始まったJ-VERの活用 森林のCO2吸収量をクレジット化

森のチカラでつくる低炭素社会

日本の温暖化対策を進めようと、J-VER(オフセット・クレジット)制度を使って森を守る仕組みが注目されている。山村再生支援センターが開いた第2回山村きぎょうセミナーから、森林のCO2吸収機能を生かしたJ-VERの制度化に取り組んできた日本大学大学院の小林紀之教授の講演を紹介する。

森林の力生かすJ-VER制度が登場

日本大学大学院 小林紀之教授

 京都議定書の、目標達成には、国や自治体だけでなく、事業者、国民それぞれが、温室効果ガスの削減に取り組むことが必要だ。

 そんな中で「カーボン・オフセット(炭素排出の相殺)」は、義務ではなく自主的な温暖化対策として、国民の取り組みを促進する効果が期待されている。

 カーボン・オフセットとは具体的にはこうだ。まず、対象となる活動の温室効果ガス排出量を可視化(見える化)して把握する。そして、温暖化問題は“ひとごと”ではなく“自分ごと”であると認識して、まずは省エネなどを通じて排出量の削減に努める。その上で、努力しても削減が難しい排出量をオフセット(相殺)する。つまり、他者が生み出した排出削減量、吸収量を購入したり、ほかの場所で削減・吸収プロジェクトを実施することにより相殺するわけだ。

 「排出はコストである」という新しい認識を、経済社会に組み込み、日本が目指す低炭素社会のバックボーンを形成することが、カーボン・オフセットの意義でもある。

 2008年11月には、政府が「オフセット・クレジット(J-VER)制度)」を創設した。同時期に政府が始めた「国内クレジット制度」では森林によるCO2吸収は対象外だが、J-VER制度は森林によるCO2吸収量も対象としているのが特徴だ。 

 森林から生まれるクレジットには、森林吸収量と木質バイオマス(生物資源)の石油代替利用による排出削減量があり、これを使ってカーボン・オフセットすることにより、植林・間伐などの森林整備や木質バイオマスの有効利用などに、クレジット代金として誰もが貢献できるわけだ。また、企業側は、商品にオフセットしたことを示すラベルを張って「環境配慮型製品」として販売促進に利用したり、イベント開催にあたりオフセットしていることを告知することなどによって企業イメージの向上に役立てられる。

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