日経エコロジー 編集部の目

2011年7月15日

250万円の蓄電池に問い合わせ殺到、住宅に電気自動車の技術持ち込む

相馬隆宏(日経エコロジー)

 「どの住宅メーカーで買えるのか?」――。

 NECが7月18日から販売開始する家庭用蓄電システムに一般消費者から多くの問い合わせが寄せられている。分電盤とつなぎ、太陽光で発電した電力などをためて、テレビや冷蔵庫、照明などに供給する。電力料金が高い時間帯や電力使用量がピークになる時間帯に蓄電池から電力を供給するなど運転を自動制御できる点が特徴だ。

NECが7月18日から販売開始する家庭用蓄電システム

 NECは、日産自動車との合弁会社オートモーティブエナジーサプライで電気自動車「リーフ」のリチウムイオン電池を製造・供給している。家庭用蓄電システムの蓄電池にはこれとほぼ同じ電極を使っているという。容量は6kWh。4人家族(関東在住)の場合、昼間に使う電力の約半分を賄えるという。

価格もリーフ並み

 来年からの本格的な量産前のモニター販売のため、価格も250万円とリーフ並み(補助金差し引き後)。にもかかわらず、東日本大震災や今夏の電力不足の影響で非常用電源として蓄電池に関心を持つ消費者が急増している。

 ECO JAPANが、日経BP環境経営フォーラム、日経エコロジー、ecomomと協力して今年4〜5月に実施した調査でも、約4割の消費者が家庭用蓄電池に関心があると答えた。電力不足をきっかけに家庭用蓄電池を購入したという人も23人いた。全体に対する購入者の割合は0.8%とまだ小さいが、需要は確実に増えている。

 ヤマダ電機やコジマといった大手家電量販店でも家庭用蓄電池を販売し始めたこともあり、認知度は高まりつつある。定期検査で停止した原子力発電所の再稼働が不透明な中で再生可能エネルギー活用の重要性が増しており、太陽光発電の電力をためておける家庭用蓄電池の購入を政府が補助する可能性も出てきた。

 NECは、EV用蓄電池と部材を共通化して量産効果を引き出し、家庭用蓄電システムを本格販売する来年には大幅に価格を引き下げる考えだ。停電時にも威力を発揮するため、防災用品としての付加価値もあり住宅メーカーも導入に意欲を示す。NECの製品は積水化学工業などが販売を検討している。蓄電池がエコ住宅に標準で搭載される日はそう遠くないかもしれない。

■変更履歴
最終段落で「積水化学工業などが先行販売する」としていましたが、正しくは「販売を検討している」です。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2011/07/19 12:23]

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