文/相馬隆宏(日経エコロジー)
社会的責任に関する国際規格ISO26000が年内に発行する予定だ。日本経団連の「企業行動憲章」など関連の文書にも影響を与え始めた。企業への強制力はないが、使い方次第ではメリットがありそうだ。
ISO26000は、今年7月に最終国際規格案(FDIS)が回付された。この9月に投票を終え、早ければ11月にも発行する見通しである。
政府、企業、労働組合、消費者など多くの利害関係者が策定した規格。「組織統治」「人権」「労働慣行」「環境」など7つのテーマを掲げて、組織が社会的責任を果たすための取り組み事例を示している。
ISO14001やISO9001のような要求事項を示した国際規格と違い、認証を取得できない。ガイダンス文書(手引書)であり、活用の仕方は各組織によって異なる。CSR(企業の社会的責任)に取り組む企業の場合は、ISO26000を参照しながら自社の活動を点検、改善するといった用途が想定される。
ソニーCSR部の冨田秀美統括部長は、「ISO26000が最終投票で承認されれば、CSR関連の文書では現時点で国際的な信頼性が最も高いものになるといえる。SRI(社会的責任投資)の評価基準などに影響を与えることが考えられる」と言う。
ISO26000に基づいてCSRに取り組めば、株式市場の評価が上がり資金を調達しやすくなることも期待できる。
一方、日本経団連は今年10月に、企業が社会から信頼を得るための原則を示した「企業行動憲章」と「企業行動憲章実行の手引き」を、ISO26000を参考に改定する予定である。
ISO26000は社会的責任に取り組むための手引書。ISO14001などのように要求事項を定めた規格ではないため、認証を取得したり適合を自己宣言したりできない





















