望月洋介(日経BPクリーンテック研究所所長)
220億ドルを投じて開発するアラブ首長国連邦の環境都市「マスダールシティ」の“指定席争い”が始まっている。建設時に利用可能な部材の認定が下されるようになってきたからである。投資元のマスダールシティが利用可能な製品を選別し、それ以外は使えない。対象となる製品は400近くあり、年末には全貌が明らかになる。
マスダールシティは世界のスマートシティの中でも有名なプロジェクトである。220億ドルを投じて作る街は、CO2や廃棄物の排出をゼロにし、敷地内への車の乗り入れ禁止や水の再利用を促す。2015年の完成を目標としている。

屋外に設置した2つのコンテナを使って評価。右側のコンテナにプラネット・スープラを塗布した。
今回、マスダールシティの認定を受けたのは、壁や屋根を塗る遮熱塗料である。外光を反射して温度の上昇を防ぎ、省エネルギー効果があるとして、日本のサイペイントジャパン(本社:東京都新宿区)が実用化している製品「プラネット・スープラ」を認定した。壁や屋根に塗るだけで、空調電力の消費量を下げることができる。電力削減効果を評価するために同じ構造の2つのコンテナを使って実験したところ、プラネット・スープラを塗布したコンテナでは3カ月間の空調電力の消費量が大幅に下がったという(下図)。最小で14%、最大75%、平均で39%削減している。
遮熱効果を向上させるために、サイペイントジャパンは塗料の中に中空のシリカ・ビーズなどを混ぜて太陽光を乱反射させるようにした。カーボンオフセット対象塗料であり、塗料10缶につき約1tのCO2排出権を取得できる。
遮熱塗料としては、このほか海外の2社の製品が認定された模様である。





















