ECO JAPANリポート

2010年7月9日

海南友子(映画監督)×枝廣淳子(環境ジャーナリスト)対談

ツバル、ベネチア、シシマレフ―― 気候変動で失うものを感じてほしい

南太平洋のツバル、イタリアのベネチア、アラスカのシシマレフ島。気候も文化も異なる島で生きる人々の普通の「暮らし」に焦点をあて、3年以上かけて撮影した映像詩「ビューティフル アイランズ」。自らもツバルを訪れた環境ジャーナリスト枝廣淳子さんが、海南友子監督にこの作品に込めた思いなどを聞いた。

海南友子(かな・ともこ)
映像作家。日本女子大学在学中に、是枝裕和のテレビドキュメンタリーへの出演がきっかけで映像の世界へ。卒業後NHKの報道ディレクターとしてNHKスペシャルなどで環境問題の番組を制作。2000年に独立。環境問題はライフワークで、学生時代には植林などの活動や地球サミット(1992年)のプロセスに参加。ごみゼロナビゲーションで知られるA SEED JAPANの立ち上げメンバーでもある。

枝廣 ツバルをテーマに映画を作ろうと思われたのは、どのような経緯だったんですか。

海南 原点は、ブラジルのリオデジャネイロで地球サミット(国連環境開発会議)が開かれた1992年ごろにさかのぼります。当時は、環境問題が盛り上がりを見せた時期です。私はまだ大学生だったんですが、どうしても地球サミットに行きたいと思い、1年間休学して国際的なNGOにボランティアとして参加しました。国連気候変動枠組条約が議論されたこともあり、そのころから気候変動の問題にはすごく興味がありました。大学卒業後はNHKでディレクターとして働きましたが、その間も自分の中で一番大事なテーマでした。

 今回やっと、足かけ4年で、自分が温めてきたテーマを作品にできました。ツバルはとても象徴的な場所です。国土が全部、消える可能性があると知り、ここは絶対取材しようと最初から決めていました。イタリアのベネチアとアラスカのシシマレフの2島は、リサーチしていく中で決まりました。

「沈みゆく悲劇の島」はどこにもない

枝廣 実際にツバルに行かれて、印象は変わりましたか?

海南 「被害者の島、ツバル」を最初は少し期待してリサーチに行きました。行ってみたら、確かに海面上昇による被害はある。でももっと印象的だったのは、人々の絆でした。例えば、晩ご飯のときに、どこの家庭でも長老の方が声をかけて、合唱するんです。日本の「いただきます」と同じ感覚で、家族が声を合わせるのを聞くとすごく美しい。だから、被害を訴えるのとは違う作品をどうやったらつくれるか、と考えながらリサーチしました。その結果、ナレーションなし、歌声、波の音、風の音を中心にする作品にたどり着いたのです。ツバルの美しさ、人の絆の美しさが引き立つように。

枝廣 私が今年1月にツバルに行ったときも、海南さんに似た感情を持ちました。日本人がもつツバルのイメージって、かなり…

海南 ステレオタイプ。

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