花澤裕二(日経エコロジー副編集長)
総量方式と原単位方式を並記
地球温暖化対策基本法案が3月12日の閣議でようやく固まり、今国会に提出されることになった。
「温暖化ガス25%削減(1990年比)」の中期目標は、当初の予想通り、「すべての主要国が公平な国際的枠組みを構築し、意欲的な目標について合意する」といった条件付きで明記された。また、太陽光だけでなく風力、地熱、バイオマスなどを含めた自然エネルギーによる発電の全量固定価格買い取り制度、いわゆる「全種全量買い取り」も盛り込まれた。
これは一時、「原子力発電の推進」とともに法案から漏れるのではないかとの観測もあった項目だ。「地球温暖化対策税」も2011年度からの実施に向け検討することが明記され、総合的に見ると民主党が野党時代から温めてきた同法案の主要項目はほぼ盛り込まれたことになる。
ただし、基本法案の中で大きな位置を占める排出量取引制度については、紆余曲折があった。企業の温暖化ガスの排出に総量で上限を課す「総量方式」以外に、生産量当たりの排出量などを削減する「原単位方式」も法案に併記され、NGO(非政府組織)などは「実効性に大きな懸念がある」と批判している。
基本法案のなかで最大の焦点となり、最後までもつれたのが、この排出量取引制度の扱いだ。
排出量取引制度については、民主党は2009年総選挙におけるマニフェスト、政策集で、「キャップ&トレード方式による実効ある国内排出量取引市場の創設」を明記していた。当初出された地球温暖化法案の概要にも、「キャップ&トレード」という言葉が盛り込まれていたが、それが次第に現実味を帯びてくると産業界が強い懸念を表明。結果的に「キャップ&トレード」の語句は法案から消えた。
キャップ&トレード方式の排出量取引制度では、国際機関や政府などが、国や企業といった制度の対象者すべてに温暖化ガスの総排出量を定めた後、対象者ごとに排出枠(キャップ)を配分する(割り当てる)のが代表的な手法だ。つまりこの方式は「総量規制」であり、対象者に割り当てた排出枠以下に排出量を抑えることを要求する。



















