花澤裕二(日経エコロジー)
「2020年に温暖化ガス排出量を25%削減する」──。産業界の関心の的となっているこの中期目標を達成する上で、大きな柱となるのが太陽光発電システムを爆発的に普及させることだ。
政府は2020年に太陽光発電を現在の20倍、2030年には40倍に拡大する目標を掲げている。普及促進策として、家庭の太陽光発電の余剰電力を従来の約2倍の固定価格で買い取る制度「日本版フィード・イン・タリフ」が2009年11月にスタート。自民党政権下で固まった同制度を、民主党政権はさらに強力なものにしようと、余剰電力分だけでなく発電量をすべて買い取る全量買い取り制度も検討中だ。全国の学校に太陽光発電を導入するスクール・ニューディール構想も動き出した。
ところが、太陽光発電の普及に伴って顕在化するはずの「廃棄、リサイクル」といった問題は、まだほとんど考慮されていないのが実態だ。そこに着目し、いち早くビジネスを立ち上げた企業が長野県にある。
中古パネルの性能検査に強み
ネクストエナジー・アンド・リソース(長野県駒ヶ根市)は、2005年10月から中古の太陽光発電パネルのリユース(再使用)事業を手掛け、既に1万4000枚もの取り扱い実績を持っている。
伊藤敦社長は、「中古のパネルがこれから大量に出てくるはず」と言う。新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の資料によると、2010年までは年間5000kW程度だが、2011〜15年には年間5000〜1万kWに、2016〜20年には年間10万kWもの太陽電池が廃棄される見込みだ。
実際、伊藤社長がリユースビジネスを立ち上げると、研究用などに使われていたパネルを6000枚(300kW)、1700枚(100kW)という数量で引き取ってほしいという大型案件が舞い込んできた。
「太陽光発電パネルの寿命は相当長い。20年前に製造されたパネルを大量に仕入れたときに検査したところ、90%のパネルが初期性能の8割以上を保っていた。おそらく40〜50年は十分に使える」(伊藤社長)
ネクストエナジーの事業の中心は、こうした中古のパネルを買い取り、新品より安く提供するというものだ。
業種を問わず、中古品ビジネスの要は品物の見極めにある。ネクストエナジーはパネルメーカーが製品テストに使う検査装置を導入。パネルを1枚ずつ検査し、検査数値の80%の性能保証を付けて販売価格を決める。メーカーも製造時期も異なるパネルを1万4000枚も取り扱ってきた経験が、同社の最大の強みだ。「こんなデータを持っているのは、おそらく我々だけだろう」(伊藤社長)
中古パネルの販売価格は、数枚単位で小口購入する場合、新品のおよそ3分の1だ。1枚当たり1万〜5万円ほどの価格で購入できるため、ウェブサイトに中古パネルの販売情報を載せると、30分で買い手が付くこともある。




















