文/田中太郎(日経エコロジー)
環境政策の推進を掲げてスタートした鳩山政権だが、COP15で存在感を示せなかったばかりか、2010年度の税制改正でも「環境税」の導入が見送りになった。エコポイント制度の拡大だけが目を引く。
環境税は今後の検討課題とする――。2010年度の税制改正大綱がなかなかまとまらず、検討が遅れ続けた2009年末。今回は実現の可能性が高いのではないかという観測も流れた環境税だったが、12月16日に民主党の小沢幹事長が示した「平成22年度予算重要要点」によって最終的にストップがかかった。
その一方、緊急経済対策にエコポイント制度の強化が盛り込まれ、注目を集めている。7兆2000億円の緊急経済対策は、「雇用」「環境」「景気」を3本柱としてまとめられた。環境対策としては、省エネ家電のエコポイント制度の延長(2010年末まで)や、エコカーの購入補助の延長(同年9月末まで)に加えて、新しく住宅版エコポイントが盛り込まれた。
家電のエコポイント制度は、省エネ製品を購入した消費者にポイントを発行し、商品券などに交換できる仕組みだ。最もポイントが高いのは、既存のテレビをリサイクルに回して46V型以上のテレビを購入するケースで、合計3万9000ポイントになる(1ポイントは1円に相当)。
新設される住宅版では、下の図のように、(1)エコリニューアルと、(2)エコ住宅の新築にポイントを発行する。閣議決定された2009年12月8日以降に着工し、次期通常国会で補正予算が成立した日以降に工事が完了し、引き渡された物件が対象になる。戸建て住宅だけでなく、マンションも対象になる。

新築の場合は、断熱性能などが省エネ基準(平成11年基準)を満たす木造住宅に30万ポイントを発行する。省エネ基準は10年前に制定されたもの。大手ハウスメーカーにとっては標準仕様になっている。

リニューアルは工事の規模によってポイントが異なる。どのような工事にどれくらいのポイントを発行するのかなどは、2009年12月20日時点で決まっていない。例えば、10枚の窓を二重サッシにして120万〜130万円かかった場合に15万ポイントという数字を目安として政府は示している。また、申請されたポイントが正しいのかのチェック方法も検討課題だ。
予算の規模は1000億円で、国土交通、経済産業、環境の3省が共管する。省庁が連携して進める環境対策といえそうだ。リニューアルと新築の両方で販売拡大が見込めるサッシやガラスのメーカーからは歓迎の声が上がる。ただ、需要喚起策としては力不足との見方もある。約3000億円の家電に比べ規模で見劣りする上、新築の場合には数千万円する住宅に対し30万円相当の補助では消費者の気持ちに響かないからだ。
上記の記事「住宅版エコポイントに注目」は、『日経エコロジー』2010年2月号に掲載された記事です。なお、記事中に記載した内容については、『日経エコロジー』2010年2月号掲載時の内容となっております。
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