ECO JAPANリポート
“未来形”を提案するホンダ、積み上げ型のマツダ
第41回東京モーターショー2009リポート(後編)
エンジンで勝負するマツダの戦略
ホンダは電動化を軸に新しいモビリティ社会のひとつの姿を提案することで、フロントランナーとしての総合力をアピールした。これに対して、内燃機関を含む固有技術のブラッシュアップにこだわりを見せたメーカーもある。
「2015年までにグローバル平均燃費を2008年比で30%改善する」という目標を掲げるマツダは徹底して内燃機関にこだわる。理由は、2020年においてもグローバル市場ではエンジン車が主流と予測しているからだ。一部ユーザーしか手にできない高価なEVを開発するよりは効率に優れたエンジンを手ごろな価格で市場に投じていく方が環境に貢献できるし、HVを開発するにしてもエンジンは必須……。そんな考えからマツダはエンジンの効率化をベースに、新技術を順次組み合わせて普及させやすいものから段階的に広げていく戦略を採る(下の図)。
追加していく新技術として同社が第1に挙げているのが、新型「アクセラ」などに採用されたアイドリングストップ機構「i-stop」。これで約8〜10%の燃費改善を実現する。続いて、減速エネルギー回生技術。減速時に生じるエネルギーを電気エネルギーに換えて、電装品の駆動などに再利用する。エネルギーの使い方によって効果に差はあるが、5%以上の改善が期待できるという。その次に位置づけているのがハイブリッドシステムだ。エネルギー効率が低いとされる低回転・低負荷時に電気モーターで走行をアシストしていく。
また、2011年から段階的に展開する新型プラットフォーム採用車では100kg以上の軽量化と空力の改善も図る。マツダは、こうした技術の積み重ねによって2015年までに燃費の30%改善を実現したい考えだ。

今回のショーでは次世代パワートレーンの開発コンセプト「Mazda SKY Concept」と、それに基づく次世代直噴ガソリンエンジン「SKY-G」、次世代クリーンディーゼルエンジン「SKY-D」、次世代高効率オートマチックトランスミッション「SKY-Drive」を発表。エンジンは6月に報道関係者向けに披露したものとほぼ同じだが(参考記事)、モックアップはお披露目用に細部までつくり込まれていた。
2つのエンジンのうち、主力は4気筒直噴ガソリンエンジンのSKY-G。開発にあたっては燃焼を根本から見直し、各種の制御因子のうち、膨張比、燃焼期間、吸気容積制御(ポンプ損失)、荷重及び摩擦係数(機械抵抗損失)の改善に注力した。その結果、燃費と出力が約15%向上。アクセラクラスの車両に搭載した場合は1クラス下の現行「デミオ」並みの燃費を実現するという。
一方、クリーンディーゼルエンジンSKY-Dは燃焼タイミングと荷重及び摩擦抵抗のブレークスルーに注力した。窒素酸化物(NOx)や煤を低減させつつ、燃費は現在の2.2リッターのディーゼルターボエンジンから約20%改善することに成功した。「アテンザ」クラスの車両に搭載した場合、現行のデミオ並みの燃費になる見込みだ。そして、オートマチックトランスミッションのSKY-Driveは現行比で約5%の燃費向上に寄与するという。
日本国内ではSKY-Gを2011年から、SKY-DはSKY-Driveと組み合わせて2012年から導入を開始する予定だ。



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