文/藤田香(日経エコロジー) 写真/山口大志
新興国の成長などを背景に、世界の植物油需要が増大している。だが、需要増を支えているパーム油の増産が、熱帯雨林の破壊につながっているとの指摘が聞かれるようになった。
今回、主要産地であるボルネオ島のパーム油生産の現場を訪れた。そこで目にしたのは、拡大を続けるパーム農園が、原生林を侵食し、生息している野生動物たちの脅威になっている光景だった。現地企業だけでなくパーム油を利用している欧米や日本の企業に、そして消費者にも、ボルネオの生物多様性を守る“行動”が求められている。
世界で最も消費量の多い植物油は何かをご存知だろうか。答えはパーム油。パームヤシ(アブラヤシ)の果実から搾油される。大豆油を抜いていまや植物油のキングとなったパーム油は、カップめんやフライドポテト、マーガリンやマヨネーズなどの食品のほか、洗剤やシャンプーなど日用品の原料としても幅広く利用されている。
しかし、主要産地であるボルネオ島では、大規模なパーム農園が次々と切り開かれることにより、世界的にも貴重な熱帯雨林が伐採され、生息する野生動物が危機にさらされているという。自動車用バイオ燃料の原料としても期待されているパーム油。増大する需要を満たしながら生物多様性を守れるのか。パーム油生産の現場を訪ねた。
日本から南へ3000km。マレーシア領にあるボルネオ島南部の町ラハダトゥに向けて飛行機が高度を下げると、眼下に緑が広がった。熱帯雨林やマングローブ林がうっそうと茂り、その間を縫って蛇行する川が日光を反射して黄金色に輝く。
しかし、そんな美しい風景はほんのつかの間。少し横に目をやると、異様な幾何学模様が果てしなく続いていることに気が付く。等間隔で整然と並ぶ緑の木々。正体はパーム農園だった。





















