文/山根小雪(日経エコロジー)
湖沼などで繁殖する微細な植物「藻類」を原料にしたバイオ燃料が世界中で注目を集めている。食料と競合せず、狭い面積で大量に培養できる点が特徴だ。軽油と同程度の価格にまで下げられる潜在力を秘める。
トウモロコシやサトウキビなど、食料を原料にするバイオ燃料を第1世代とすれば、ジャトロファなどの草本や建築廃材(木材)、藻類など非食料を原料にするものは第2世代に当たる。第1世代が、食料価格の高騰を引き起こしたとして、国際社会の批判を浴びたことで、第2世代の開発競争が加速している。
中でも藻類が優れているのは、狭い面積でも大量に油が採れることだ。下の表のように、大豆は1ha当たり446Lしか油を生産できないが、藻類なら9万8500Lとけた違いに多い。バイオ燃料は、ガソリン代替のバイオエタノールと軽油代替のバイオディーゼルに大別されるが、藻類を原料としたバイオ燃料はバイオディーゼルに含まれる。

米国では藻類を原料にしたバイオ燃料を開発するベンチャー企業が続々と登場。研究室レベルのものから、大規模な培養を試みるものまで様々あるが、実用化は5〜10年後といわれる。すぐにビジネスになるような話ではないが、産業界の藻類への関心は並々ならぬものだ。
CO2削減を迫られる航空業界では、米ボーイングの航空機に藻類から作ったバイオ燃料を搭載した飛行試験が相次いでいる。従来のジェット燃料にバイオ燃料を20〜50%混ぜる。約1%が米サファイアエナジーが生産した藻類によるバイオ燃料だという。ある関係者は、「航空だけでなく、化学や食品、重工業、医薬など、幅広い業界が藻類に触手を伸ばしている」と明かす。

試験飛行する米ボーイングの航空機
ヴァージン・アトランティック航空とニュージーランド航空、コンチネンタル航空、日本航空の4社が試験飛行を成功させている



















