日産自動車、日産車体、関西ペイントなどは車の塗装工程におけるCO2排出量を削減できる新しい技術を開発して実用化した。高級車へ塗装できる品質を確保しながら、塗装工場全体でのCO2排出量を16%低減する。日産車体系の新工場で高級SUV(スポーツ用多目的車)の塗装工程に採用した。
従来は「統合3WET(スリー・ウェット)塗装」と呼ぶ塗装方式を採用している。「中塗り」「上塗り」の2回の色付け工程と、つや出しや表面保護を目的とした塗装工程による3層を連続して塗り重ねて焼き付ける方式で、環境負荷は低いものの、高級車の塗装に必要な滑らかさやツヤが実現できていなかった。
今回、重ね塗りする際の「中塗り」に、新開発の塗料を採用したことで「上塗り」を滑らかにしながら、高級車に適用できる塗装の外観品質を実現した。さらに、上塗りの色付けに水性塗料を使用することで揮発性有機化合物(VOC)を27%低減。水性塗料を使うと乾燥させる設備によってCO2排出量が増加するが、乾燥装置を一体化した塗装装置を開発して乾燥時間を半減。上塗り工程でCO2排出量の25%削減し、排出抑制では世界最高水準を実現した。
新たな塗装技術は、1月に本格稼働を始めた日産車体の生産子会社、日産車体九州の新工場に導入。主に中近東向けに販売する高級SUV「新型パトロール」の塗装工程で採用した。日産自動車は新開発の塗装技術を活用し、工場のCO2排出量削減を進めていく。(日経BP環境経営フォーラム)


















