中国系の人口が全米で最大の米国カリフォルニア州で、中華料理の高級食材フカヒレの売買や所有を禁じる法案が、賛成65、反対8でこのほど州上院予算委員会を通った。近く開かれる上院本会議で可決されれば、2012年末までに州内の料理店や食材店などから姿を消すことになる。
米国内ではすでに禁止に踏み切った州もあり、カナダも法案化の準備を進めていて、この動きは各国にも広がりそうだ。水産物をめぐっては、クジラ、マグロ類をはじめ、乱獲や資源枯渇から次々に規制がかけられているが、「海のギャング」として忌み嫌われてきたサメにまでおよんできた。
割れる中国系社会
米国では中国系移民の人口が急増している。カリフォルニア州だけで中国系が約125万人と全米の約3分の1を占めるまでになった。中国系団体が民主党の有力な政治資金団体になるほど、政治への進出も目立っている。中国系住民が増えるにつれてフカヒレの消費量も増えて、全米の消費の8割以上を占めるまでになった。これは、中国本土以外では最大の消費量といわれる。
高級食材のフカヒレは、主にフカヒレスープや姿煮などに使われ、カリフォルニア州では、安いもので1kgあたり約200ドル、高いものでは1000ドルを超える価格で取引されている。
サメをめぐって世界的に保護活動が盛んになり、カリフォルニア州でもサメ漁の是非をめぐる議論がつづいてきた。とくに、運動の中心になったのが、「アジア太平洋米国海洋ハーモニー連盟(APA)」。その活動成果もあって、ハワイでは2011年7月、オレゴン、ワシントンは8月から販売が禁止された。
カリフォルニア州の法案は、州下院の中国系民主党議員、ポール・フォン氏らが提出した。同州の漁業ライセンスがあれば捕獲はできるが、レストランなどがヒレを料理として使うことは禁止される。違反者は100ドルから1000ドルの罰金が科せられる。
フォン氏はサメの絶滅危機を描いた映画を観て反対派に転じたという。とくに、2009年にフランスで製作された「オーシャンズ」(日本公開は2010年)の影響が大きかった。サメを釣り上げた漁船員がヒレだけを切り取って、残りは海に投棄するショッキングなシーンから、反対派が増えたといわれる。
俳優のレオナルド・ディカプリオらがツィッターで法案支持を呼びかけ、中国出身の米プロバスケットボール(NBA)の元スター選手、姚明(ヤオ・ミン)も、フカヒレスープは「2度と食べない」と宣言して運動に加わった。こうした動きは著名なアスリートや歌手の間に広がった。



















