10月8日に政府が取りまとめた「円高・デフレ対応のための緊急総合経済対策」に、「レアアース等のリサイクルなど」という一項が盛り込まれている。具体的には「いわゆる『都市鉱山』対策として、廃製品からのレアアース等の分解・抽出を行う技術開発や設備導入への費用補助を行うほか、実証事業の実施等を通じ、回収システムの構築などのリサイクル事業の確立を支援する」とある。
10月29日に国会に提出された今年度補正予算案には、「都市鉱山」補助として30億円が計上されたと報道されている。
ながらく、日本は「資源小国」だと教えられてきた。とりわけ金属資源は、海外にその多くを依存してきたのは事実である。しかし、少し立ち止まって考えてみると、そうして海外から輸入された金属資源は製品となって、あるいは廃棄されて、この日本のなかに蓄積されていっていることがわかる。
日本は巨大な資源保有国
2008年1月、興味深いレポートが発表された。タイトルは「わが国の都市鉱山は世界有数の資源国に匹敵−−わが国に蓄積された都市鉱山の規模を計算−−」。独立行政法人物質・材料研究機構がこれまで国内に蓄積されリサイクルの対象となる金、銀、銅、鉄、錫、亜鉛、鉛、アルミ、ニッケル、アンチモン、コバルト、インジウム、リチウム、モリブデン、白金、レアアース、タンタル、タングステン、バナジウムに対して蓄積量としての都市鉱山の規模推定を行った調査研究結果である。
驚くべきは、金は約6800tで世界の現有埋蔵量の約16%、銀は6万tで同22%に及ぶ。このほか、インジウム61%、錫11%、タンタル10%と世界埋蔵量の一割を超える金属が多数あることがわかったことだ。また、国別埋蔵量保有量と比較すると、白金などベスト5に入る金属も多数あった。日本は、この百年の工業化の間に、すっかり資源小国から変貌していたのである。
こうした工業製品や廃棄物に姿を変えた金属資源を、これからリサイクルできる資源とみなして「都市鉱山(アーバン・マイニング)」と呼ぶ。もちろん、そうした都市鉱山から容易に金属を回収できるわけではない。工業製品や廃棄物に姿を変えているから、いわば金属としての純度、品位は低くなってしまっている。それでも、政府がようやく、こうした都市鉱山の活用に本格的に乗り出した背景には、新興国の成長による資源価格の高騰や中国のレアアースの輸出制限を教訓に、希少金属の入手可能性がわが国製造業の操業を左右するということが広く理解されたからにほかならない。




















