2010年6月4日、ブルームバーグ電子版(日本版)に、ホンダが米カリフォルニア州の大気汚染規制、ZEV規制をクリアするために、米テスラ・モーターズから「ZEVクレジット」を購入したという記事が出た。
記事を見た自動車関係者の中には「なぜそんなバカなことを」と、呆気にとられる人もいた。この反応は当然かもしれない。環境規制を金銭でクリアするというのは、ホンダがこれまで築いてきた環境先進企業のイメージを足元から崩しかねないからだ。
EV販売の義務
ZEV規制は、1990年にカリフォルニア州が導入した大気汚染対策で、州内で販売する自動車の一定割合を、NOxやHC、COといった排ガスを出さないZEV(Zero Emission Vehicle)にすることを義務づけている。ZEVには圧縮水素を搭載する燃料電池車も含まれるが、数百台の販売が必要になるため現実的には電気自動車(EV)しか選択肢はないといえる。いってみれば、EV強制導入法のようなものだ。
規制導入当時、対象になっていたメーカーはトヨタ自動車、ホンダ、日産自動車の日本勢3社と米ビッグ3の計6社。現在までに条件は少し変わっているが、後述するようなZEV規制の最低義務があるのは州内での年間販売台数が6万台以上のメーカーで、今でもこの6社になっている。
1990年の導入当初は、ZEVの割合を1998年から販売台数の2%、以後は段階的に増やしていき、2003年には10%とすることを目標にしていた。当時はリチウムイオン電池はもちろん、ニッケル水素電池もなかったから、極めて厳しい内容だったのは間違いない。
このため自動車業界は規制に猛反発し、業界団体や石油業界がタッグを組んで反ZEV規制キャンペーンを展開したほか、カリフォルニア州大気資源局(CARB)やカリフォルニア州政府相手に訴訟を起こすという強硬な姿勢を見せていた。
ただ一方では、GMやトヨタ、ホンダ、日産などがEV開発に取り組み、GMが「EV1」、トヨタが「RAV4 EV」、ホンダが「EV PLUS」、日産が「ルネッサEV」をそれぞれ1990年代後半に市販。それから数年で2000台以上のEVを公道に送り出すなど、開発に意欲的だった人たちもいた。これがその後のハイブリッド車開発や電池開発の“種”になっている部分もある。




















