市川芳明:世界環境標準化戦争

2010年7月20日

根回し… 国際交渉で主導権をとる方法

BPのメキシコ湾掘削は標準不適合?

 本題の前に、最近の話題を1つ紹介したい。筆者が先月、ワシントンDCを訪れた際、6月16日付の『USA Today』の「Money」面に興味深い記事を見つけた。「BPは標準規格に適合していなかった(BP didn't meet standard)」という見出しだった。

 記事は、メキシコ湾岸の石油流失事故に関連して、米議会がBP、エクソンモービル、シェブロン、シェル石油など石油メジャーの経営陣を集めた公聴会を報じたものだ。 その際、エクソンモービルのCEO(最高経営責任者)はこう述べている。「(BPは)いくつもの設計標準規格を順守していなかった。我々ならばあのような掘削方法はとらなかっただろう」。シェブロンのCEOは「(事故の現場で)すべての標準規格が実施されていたわけではない。流出は防げた」と述べた。これらの発言の背景には、米国政府が下したメキシコ湾岸での海底油田掘削の半年間禁止がある。

 自分たちはBPとは違う、自分たちは責任をもって掘削(Responsible Drilling)を行っているという主張の説得力を強めるために、標準規格を引き合いに出したのだと思う。原油流出はいまも続いている。今後、どのように事態が進むのかは想像もつかないが、エクソンやシェブロンのCEOの発言は、企業が社会的な責任を問われたとき、標準規格に準拠しているか否かが、明暗を分ける大きな要素になることを物語っている。

 さて、今回は、国際標準化の舞台でどのようにしたらリーダシップをとることができるのかについてのヒントを、筆者の経験に基づいて述べていきたい。

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