走っていないポルシェに重税
自動車販売は最悪期を脱したと報じられていますが、まだまだ減税や国の補助金なしでは回復基調にのれない厳しい状況が続いています。それでも将来に向けて温暖化ガスの排出抑制にはより踏み込んで取り組んでいかなければなりません。自動車の技術は日進月歩。ある日いきなり画期的な技術が発明されて一気に問題解決が早まることもあるかもしれませんが、根拠もなくそれをあてにするわけにはいきません。やはり地道な努力を積み重ねていくことが重要になります。
自動車が排出するCO2量は、自動車の運転や利用の仕方で決まります。いくら燃費のよいハイブリッド車などのエコカーをメーカーが開発しても、ユーザーが無用に走り回ったり、アイドルストップをしなかったりすれば、減らせるはずのCO2も減らないことになります。
このコラムでもたびたび触れてきましたが、私の所有している1993年式のポルシェ911ターボは排気量が3.3Lで、実用燃費は6km/Lにも届きません。しかし、年間の走行距離は2000km未満なので使用する燃料は333L/年ほどにすぎません。ざっと計算してみると1kmあたりのCO2排出量は380gで年間の総排出量は760kgほどになります。
この1年、燃費の良さでブレイクしたプリウスの市街地での実用燃費が20km/Lだとすれば、1kmごとに排出されるCO2量は110gになるので、走行距離が6909kmに達したところでCO2排出量は760kgになります。
つまり、年間走行距離が6909km以上のプリウスユーザーは、実は私のポルシェより多くのCO2を排出しているわけです。それなのにハイブリッド車には購入時に多くの優遇が与えられ、古いポルシェには乗ろうが乗るまいが重税が課され続けています。今回の政策がCO2抑制そのものより、新車の販売促進のほうにウエイトが置かれていると言わざるをえないのは、こんなところにも現れていると言えるでしょう。




















