環境ISOはわかりにくい?
小売業においても環境政策が欠かせない時代になるという予測の下、西友がISO14001を導入したのは1997年のことであった(導入の経緯はこちら)。社内外で一定の評価を得ることもできた。しかし社内の環境政策会議「エコ委員会」では、いつもこんな議論がされていた。
「ISOは入れて良かったと思うし、うち(西友)が真面目に環境をやっているのは大事なことだと思うよ。だけどな、お客さんには伝わらないんだよなァ。○○社みたいに「木を植えてます!」とかさ、□□社みたいに「海をきれいにしています」とかさ。何か1つドン! とさ、もっとわかりやすいイメージを打ち出せないのか?」
「いやあ、そりゃ違うよ。この愚直なまでの真面目さがいいんだよ!」
悩ましい会話だ。「何か1つドン!」ですか……。おっしゃることはよ〜くわかりますよ! でもね、ISO14001はイメージアップのために導入したんじゃありません。小売業として、西友として、何をしていかなければならないのかを明確にし、環境を本業の中に組み込んでやっていかなければならないことは、おわかりですよね? しかも、木を植えたり、海や川をきれいにするにはお金がかかるんです!
口には出せずとも、本題とずれた、このやりとりを毎回悩ましく聞いていた。当時はまだ、今ほど環境問題が世界的な課題とまではなっていなかった。エネルギー政策や廃棄物削減、環境商品の開発などを議論する前に、もっと消費者にもわかりやすい西友の環境イメージを打ち出してほしいというのが皆の本音だったのだろう。
実際、「真面目に取り組んでいるとは思うが、難しくてわかりにくい」というのは、小売業にとって決して良いイメージではない。本業での取り組みとは別に、環境活動のテーマとなるものを考えないわけではなかった。しかし計画だけならいくらでも考えつくが、結局は経費がネックとなる。具体的な話にまでは、なかなかたどりつかなかった。
経費の問題だけではない。イメージの良さや話の美しさに心を奪われていると、本質を見失う。そうではない、西友だからこそできる“何か”があるはずだ――自分を戒めながら、知恵熱が出るくらい考え続けた。
条件としてはまず、2つのことが考えられた。1つは、「小売業としての役割」を果たせること。もう1つは、「西友の身の丈」に合った社会貢献であることだ。それは何だろう? 我々にできることは何だろう? 一体、何をするべきなのだろう?



















