世界人口の増加が止らない。毎年、ドイツの人口に相当する8000万人ずつ増えている。この人々が毎日3食、穀物や肉や野菜を食べる。彼らを養うために毎年新たに農地を増やす必要がある。68億人を超えた世界人口は、2050年までにあと23億人増えて91億人になると国連は予測する。現在の中国にインドを加えた人口が新たに加わるのだ。2050年の世界を誰が養うのだろうか。
人口は3割増で食料需要は6割増
国連食糧農業機関(FAO)は各国から約300人を集めて緊急のハイレベル専門家会合をローマで開き、「2050年の世界をいかに養うか」という研究レポートを発表した。
長らく安定していた食料品は2005年から値上がりがつづき、戦後最悪の食料危機といわれた1970年代初頭以来、30数年ぶりの危機的状況になっている。これを反映して、各国で食料暴動が横行し、食料の輸出規制に踏み切る国も多い。
専門家会合のレポートによると、人口増加に加えて所得や生活水準の向上も食料需要を刺激する要因になっている。つまり、生活水準が上がると肉の消費量が増え、その分、飼料として穀物需要が増すからだ。
2000年をベースにして2050年までに、世界の穀物生産は21億4300万tから34億200万tへと6割近く供給を増やす必要がある。とくに、人口増加の激しい発展途上地域では、10億600万tから19億1400万tに90%も増やさねばならない。人口の伸びが止まった先進地域でも、食肉消費の増大やバイオ燃料生産のために10億80万tから13億6300万tに36%も増産しなくてはならない見通しだ。
世界的に見て、可耕地はまだ十分にあるものの、中東や北アフリカ、南アジアなどでは、耕作可能な土地がすでに限界に近づきつつある国も少なくない。そうした限界耕作地は灌漑用水が不足し、土壌の質が悪いために限られた作物しか作れないものが大半だ。風土病の流行で耕せない土地も多い。
これだけ生産量を上げるには、2050年までに総額で830億ドルの農業投資が必要だとレポートでは試算している。内訳は、200億ドルは穀物生産に、130億ドルは家畜の生産に、500億ドルは灌漑施設、農業機械、農薬、流通などだ。このためには、現在の農業投資のペースを1.5倍に加速しなければならない。



















