石弘之:「地球危機」発 人類の未来
老いていく人類―途上国でも始まった高齢化
「世界人口は予想もしなかった空前の高齢化の途上にある」と警告する報告書「高齢化する世界:2008」を、米国勢調査局がこのほど発表した。20世紀は「人ロ爆発の世紀」と言われたが、21世紀は「高齢化の世紀」になることが確実になった。急激な高齢化によって、社会や経済の混乱や沈滞を招く国も増え、人類にとって深刻な問題に発展しつつある。
高齢化の世紀
お堅い政府報告書にもかかわらず、クイズで始まっているのが面白い。何問答えられるか、まずはつきあっていただきたい(答えは最終ページの末尾)。
Q2 アフリカ、中南米、カリブ諸国、アジアの各地域のうち高齢者人口の割合がもっとも大きいのは?
Q3 国別で高齢者人口の割合がもっとも大きいのは?
Q4 80歳以上の超高齢者の増加率は65歳以上の高齢者よりも高い。ウソか本当か?
Q5 日本は世界の最長寿国だが、現在生まれた赤ちゃんは何歳まで生きられるか?
報告書は高齢化の現状を9つの観点から述べている。(1)世界人口の高齢化、(2)平均寿命の延び、(3)超高齢者の増大、(4)人口減少国の高齢化、(5)成人病の増加、(6)少子化などの家族構成の変化と介護者の減少、(7)税収入の減少と医療費・年金の負担増、(8)高齢者の社会保障制度の見直し、(9)労働人口の減少などの経済的な影響
20世紀中に人類の寿命は25年も長くなり、人類の歴史で5000年かかった延びをわずかの間に達成した。先進諸国を中心に、医学の進歩、社会経済の発展、栄養や公衆衛生の向上などによってもたらされたものだ。「不老長寿」をひたすら追い求めてきた人類にとっては、目的はかなりの程度達成されつつあるといってよいだろう。
総人口に占める65歳以上の人口比を「高齢化率」といい、高齢化の速度は65歳以上の人口の割合が7%から2倍になる年数(倍加年数)で表される。高齢化率が7%を超えると「高齢化社会」、14%を超えると「高齢社会」と呼ばれる。世界全体の高齢化率は、08年の7%から40年には2倍の14%に上昇する。つまり、倍加年数は32年である。
日本は70年に7%に達し、1996年に14%になるまでわずか26年間しかかからなかった。日本の高齢化は「史上空前のスピード」という形容詞がつく。というのも、他の先進地域では、フランス115年、スウェーデン85年、アメリカ71年、イギリス47年、ドイツ40年もかかっているからだ。しかし、これから続々と日本を上回る国が登場する。韓国は18年、シンガポールとコロンビアは19年、ブラジルは21年、チュニジアとスリランカは24年しかかからない。

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