元西友役員・小林珠江の体当たり!環境経営

2009年9月7日

なぜ、西友はレジ袋を有料化しなかったのか?

社会現象化したレジ袋の有料化

 2007年に社会現象化した「レジ袋有料化」。メデイアもこぞって取り上げた。

 レジ袋は、なぜ、環境問題の象徴のように扱われるのだろう?

 その1番の理由は、もらってすぐに捨てられるにもかかわらず、家庭ゴミの中に占める容積比が大きいことだろう。容器包装廃棄物は家庭ゴミ全体の58%を占め、プラスチック容器包装だけで見ると38%、さらにその中でレジ袋は3.4%を占めている(環境省「容器包装廃棄物の使用・排出実態調査」)。

 廃棄物問題に苦慮する地域行政にとって、ゴミの減量が大きなテーマであることはよく理解できる。すでに家庭ゴミの有料化に踏み切っている地域もある。ゴミ処理にかかる財政負担の重さから、今後も拡大する動きがみられる。

 容器包装ゴミの削減に向けては、国も1997年に「容器包装リサイクル法(通称:容リ法)」を施行している。これはリサイクルと発生抑制を目的としたものだが、リサイクルは進んだものの、容器発生の抑制にはつながっていない。

 容器にも入れられず、包装もされないまま売られている食品類は青果や鮮魚の一部くらいである。1回の買い物で出る包装容器の類の多さには、一消費者としても驚かされる。しかし、セルフ販売の形態からすると、いかんともしがたいのも実情だ。そのなかで唯一、消費者が自分の意思で選択可能なものとして、レジ袋が象徴的に取り上げられているのだと思う。

 しかし、レジ袋は一般的に、家庭の生ゴミを入れる中袋など、別の目的でリユースされている。言うまでもなく、ゴミの収集日まで家庭で保管する際に、臭気が出るのを防ぐためだ。日本の気候や狭い居住空間を考えると、生活必需品と言える。

 その存在を否定することには若干の無理があるようにも思うが、一方で、中袋などにリユースされる以上に、単にゴミとして捨てられるレジ袋の量のほうが圧倒的に多いのも事実である。

 小売チェーン各社もこれまで、スタンプ制やポイント制をはじめとするマイバック運動を推奨し、レジ袋辞退率の向上に努めてきた。しかし、スーパーや量販店などの団体である日本チェーンストア協会の調査では、加盟各社の平均辞退率は14%弱にとどまっていた。環境意識が高い地域であっても30%程度の辞退率が限界だった。

 西友では、マイバックを1回持参するごとにスタンプを1つ押し、20個たまったら100円分の買い物に使える「エコ・ニコスタンプ」という制度を設けていたが、地域差はあるものの、平均して6%(食品売り場以外も含めた全売り場の数値)程度で推移していた。この延長線で対策を続けても、飛躍的に数値を改善させることは不可能に見えた。

 2007年には容リ法が改正され、削減目標の制定、及び進捗報告を義務づけた。取り組みが不十分な場合には勧告・公表・命令、さらには罰則等が定められた。事業者側に一層の取り組みを促すためだ。一方、地方自治体や市民環境団体は、これ以上の啓蒙活動は困難という見解によりレジ袋の有料化を強く求めてきた。

 これを機に、小売チェーン側も有料化の検討に入る。

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