S400BlueHYBRID
「メルセデス・ベンツは、より環境に配慮した高級ブランドになる」――ダイムラー社の開発責任者であるトマス・ヴェーバー博士は、「S400BlueHYBRID」発表試乗会の席上で力強いメッセージを発した。
高級車Sクラスに登場したこの「S400BlueHYBRID」は、メルセデスブランドで初めて商品化されたハイブリッド車である。今回はその試乗の様子をリポートしながら、同社のハイブリッド戦略を探ってみることにしよう。
メルセデスはハイブリッド開発で完全に日本のトヨタに先行されたが、その牙城を崩すべく、2007年のフランクフルトモーターショーではいくつかのハイブリッド車や次世代エンジンを発表。今年、2009年1月のデトロイトモーターショーでは、電気自動車やハイブリッド車の開発にさらに力を注ぐことを明らかにした。
そしてついに、メルセデスは2つのハイブリッド車を市販する。
その先兵が、1モーターのマイルドハイブリッド車「S400BlueHYBRID」なのだ。もう1台は2モーターのフルハイブリッド車「ML450HYBRID」で、こちらは米国アラバマ工場で生産するMLクラス(大型SUV)である。
Sクラスのハイブリッドに使われる「400」という数字には「V型8気筒エンジンのトルクを発生する」という意味があるが、実際には3.5LのV型6気筒直噴ガソリンエンジンに1つの電気モーターを組み合わせたものだ。
このハイブリッドシステムは実に単純で、トルクコンバーター(オリジナルの7速トルコンAT)とエンジンの間に、15kW/160Nmの薄いモーターを配置している。ただし、残念ながらモーターとエンジンの間にはホンダのIMAシステムと同じくクラッチは存在しないから、エンジンを切って電気モーターだけで走ること(EV走行)はできない。
しかし、メルセデスはハイブリッド車の“御利益”の1つであるEV走行を諦めたわけではない。今後、バッテリーの開発状況に応じてEV走行モードを搭載する可能性はあるという。もちろん電気自動車をベースにしたレンジエクステンダー型ハイブリッド車なら、もっと積極的なEV走行が可能となる。




















