2009年07月22日

岩堀良弘:発電マンの太陽光発電塾

太陽光 予期せぬトラブル(2)―電圧上昇抑制

発電しているのに売れない?

 昨年、太陽光発電システムを設置したある方から突然電話が入りました。

 「モニターに変なエラー表示が出ているのですが……どうも発電できていないようなのです」

 さっそくその方の家に駆けつけてみると、太陽電池モジュールは正常に発電し、システムは問題なく作動しています。ただし、モニターには次のような表示が出ていました。

「電圧上昇抑制機能が働きました。2008年○月○日」

 この聞き慣れない「電圧上昇抑制」とは、何のことでしょうか。

 日本の家庭用電気の電圧は100Vと信じている人は多いと思いますが、電力会社から各家庭に常にピッタリ100Vで送られている訳ではありません(200V電源も存在しますが、ここでは分かりやすいよう一般的な100Vに例を絞って話を進めます)。

 それは、水道に例えると分かりやすいかもしれません。朝夕の食事時など、多くの家庭が一斉に水道を使う時間帯に、水圧が下がって蛇口から出る水の量が弱くなるという経験をしたことはある人は多いかと思います。

 水道局から供給される水道と同様に、電力会社から供給されている電気も、多くの家庭が一斉に使うと供給側の電圧が低くなったり、逆に電気の使用量が減ると電圧が高くなったりします。しかし、あまりに電圧の変動が多いと、家庭で使う電気機器にも影響を及ぼしかねません。そこで供給電圧を100Vより若干高めにしておくなど、ある程度の幅をもたせて送ることで対応しています。電気の法律である電気事業法で、その範囲は101Vから±6Vと決まっています。つまり電力会社は95Vから107Vの範囲で各家庭に電気を供給しているのです。

 さて、川の水が川上から川下へ流れるように、電気は電圧の高いところから電圧の低いところへ流れていきます。したがって太陽光発電など家庭でつくられた電気が電力会社の系統に流れていくためには、系統よりも高い電圧でなければなりません。そこでパワーコンディショナーが、電力会社の系統の電圧を検知して、それよりも高い電圧となるよう調節します。

 ところが、パワコンが調節する電圧も、107Vを超えることはできません。そこでもし、系統の電圧が107Vに限りなく近かった場合は、パワコンの電圧を抑制する機能が働きます。その結果、状況によって長さは変わりますが1回につき数分程度にわたって電気が流れていかない、つまり電気が“売れない”状態になってしまいます。これが「電圧上昇抑制」がかかった状態です。

電圧上昇抑制機能が働いたことを示すモニター画面
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