数十分間の暖機運転は必要か?
● シートベルトクリップ
エコドライブや安全運転の講演をするとき、ボクは「エコロジー、エコノミー、セーフティの3つを満足させられる運転をしよう」と提唱している(詳細は第1回参照)。
それを実践するためには「シートベルトをしてからエンジンスタート」、「エンジンを止めてからシートベルトを外す」ことが基本になる(第2回参照)。これはクルマが走っていないときの操作だから、難しくはなく、誰にでもできるはずだ。
しかし、雪国のドライバーから「理論は分かるが、現実の運転ではできない」という反論が多くある。
主な理由は「冬の朝はガラス窓が凍りついている」ということ。ドライバーはまずエンジンをかけて止まったままで暖機運転をし、暖まったらヒーターの機能を使って窓ガラスの氷を溶かし、それから走り出すのだという。暖機運転にかける時間は20分間から30分間、ときにはそれ以上になるが、その間は寒いので家の中にいる。だから、エンジンをかける前にシートベルトはできないというのだ。
そのために活用しているのが「リモコンエンジンスターター」だ。これは携帯電話くらいの大きさの専用のリモートコントロール装置で、家の中からスイッチを押すと、数百m離れたクルマのエンジンを電波によって自動的にかけられるというもの。
「冬はリモコンエンジンスターターで何十分かエンジンをかけておくことが習慣になっている」と堂々と主張してくるところを見ると、雪国のドライバーはこのことに対してあまり罪悪感を持っていないようだ。あるいは、良いことではないと感じながらも、寒冷地なのだから仕方がないと思っているのかもしれない。
問題は、窓ガラスが凍っていなくても、この儀式が行われてしまうことだ。これによってどれだけ多くの燃料が無駄に使われているのか、どれだけ出さなくてもいい排気ガスが放出されているのだろうと思うとぞっとする。



















