岩堀良弘:発電マンの太陽光発電塾

2009年2月25日

第19回 住宅用太陽光発電システムの施工について(パート3)

(パート1はこちらから)

(パート2はこちらから)

進化する
陸屋根への施工法

 ここまで2回にわたり、施工について解説してきましたが、最後に施工における“良くない例”についても、少し紹介しておこうと思います。みなさんが実際に施工を申し込む際の、参考にしてください。

 しかしまずその前に、前回紹介しきれなかった、陸屋根の施工について簡単に紹介しておきたいと思います。傾斜屋根とは施工が異なり、特に施工者の経験・技術の差が出るうえ、新たな技術も登場してきていて、なかなかに興味深い分野だからです。事業所などではこちらの方が多いでしょうし、一般住宅においても陸屋根は増えています。

 陸屋根の場合は屋根面が水平なので、モジュールに勾配を持たせるための架台が必要になります。この架台と、屋根面との接合が施工におけるとても重要な部分です。

 発電モジュールが屋根の上に羽を広げたような状態になるので、架台の重量に対する構造的な強度計算や、強風に対しての揚力に対する強度計算、既設の建物に設置する場合にはコンクリートの厚みや、防水処理の仕方、屋根材の破損状況などあらゆることを考慮し、慎重にプランを立てなければなりません。

 また陸屋根の場合、折半屋根(※図1のような屋根)とコンクリートの屋根では異なる工法になります。コンクリート屋根の場合は通常はアンカーボルトを打つ方法がとられます。折半屋根の場合は、最近では折半屋根を挟みこむ特殊な金具を使っての設置が一般的です。

折半屋根の断面図

 以前は陸屋根の場合、太陽電池モジュールを2段3段にずらして重ねたものを、30度程度の角度をつけて設置していました。しかし最近は風の影響を考えて、1段設置、それも角度を5度や10度に抑えて風の影響をできるだけ受けないような形で設置するケースが増えています。

陸屋根への設置の様子(写真提供:横浜環境デザイン

 しかし最近は技術も進歩してきており、陸屋根に関しては大型の架台を必要としない新たな施工方法も登場してきています。その一つが誘導加熱装置という特殊な装置を使って金具を屋根に固定していく工法で、少し専門的になってしまうので詳しい内容については省略しますが、とにかく従来のように大掛かりな専用架台がいらないため、軽量化や工期の短縮、コストダウンを実現します。

 こうした新しい技術が開発されることによって、設置工事の効率も上がり、結果として全体のコストダウンにつながっていきます。太陽光発電システムのコストダウンには太陽電池モジュールの価格を安くすることばかりに目が向きがちですが、工事費もコストのうちの大きなウエイトを占めます。今後、技術開発による“施工作業のコストダウン”もますます必要になってくるでしょう。

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