岩堀良弘:発電マンの太陽光発電塾

2009年2月12日

第18回 住宅用太陽光発電システムの施工について(パート2)

(パート1はこちらから)

安さばかり求めるのは危険!
太陽光発電システムの施工

 前回は、屋根の知識と設置工事の前の準備についてお話しました。

 その中で「事前に屋根の状態をよく調べ、補修するべきところは事前に補修・修理をする」ということをお話しましたが、とても大切なことなのでもう一度注意を促しておきたいと思います。

 というのもつい先日、知り合いの工事業者から次のような話を聞いたからです。

 その業者は知識・経験も豊富な、10年以上にわたって太陽光発電の設置工事をしてきたきちんとした業者です。その業者が見積もりを出していたあるお客様から、キャンセルの電話を受けたのだそうです。

 そのお客様のお宅は築年数が10年以上も経ち、屋根材のカラーベスト(第17回を参照)もかなり傷みが目立ってきていました。太陽光発電システムを設置すると、30年以上にわたりパネルが載ったままとなり、屋根のメンテナンスは基本的にできなくなります。その業者のベテラン担当者はお客様の利益を考え、一度屋根の塗装をし直して、それから太陽光発電を設置するよう提案しました。その方がお客様も長期にわたり安心して生活できる、と判断したのです。ただ、屋根の塗装代が余分にかかってきますので、設置工事だけよりも工事代は若干高くなります。

 ところが、実はそのお客様は別の業者の見積りも取っていました。それ自体は構わないのですが、その業者の担当者は「パネルの下は直射日光が当たらないのであまり傷まないから、塗装は必要ないでしょう」と言ったのだそうです。当然その分、工事が安くできます。お客様は安い工事を提案した業者を選んだという訳です。

 確かに「パネルの下は直射日光が当たらないので傷みにくい」のは事実ですが、全く傷まない訳ではありません。5年や10年は持つかもしれませんが、20年、30年となったときどうか…本当に心配です。万一雨漏りなどが起こったときはパネルを外して修理する費用も馬鹿になりませんし、雨漏りしたときの気苦労たるや大変なものです。

 お客様は経験がありませんから、つい「安さ」を求めてしまいます。それは分からないでもありませんが、それは一定のクオリティを保ったうえでの「安さ」でなければなりません。

 私は安さを追求するあまりに品質を落としていく風潮があるのを、大変危惧しています。それは結果的にお客様が不利益を被ることになり、最終的に太陽光発電そのものに対する不信や不安を助長してしまうことになるからです。

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